朝日新聞のWebサイト "www.asahi.com" に登録されている記事の著作権について某所でいろいろ聞いたので、自分でも確かめてみようと著作権表示のページを読んでみた。ちなみに場所は
であるが、後述する理由のため、このページでは www.asahi.com 向けのリンクを一切張っていない。
このページで朝日は、
『朝日新聞社の承諾無しに、「私的使用のための複製」及び「引用」の範囲を超えて asahi.com に登録されている記事、写真、イラスト等を使用することはできません。』
と明記し、asahi.com に登録された個々の記事すべてに著作権における保護がおよぶと解釈しているようである。著作権法で「単なる時事の報道」が著作物から除外されていることを考えれば、 asahi.com に登録された記事の全ては「時事の報道」を超えた何かが含まれていることになるが、第二次橋本内閣の小杉隆文部大臣の住所が目黒区鷹番一丁目であること(あ、うちの選挙区じゃん)など、どこが時事の報道を超えているのであろうか。著作権の濫用としか言い様が無い。
さて、これだけでも何だかわけが分からないのだが、さらに「朝日が本当にWebのことをわかってるのか」疑問に思える点がある。 Netscapeで個人のPCやホームディレクトリにキャッシュを作ることは「私的使用のための複製」であるので問題なかろうが、Proxyサーバはどうだろうか。企業内での複製が「家庭内またはそれに準ずる範囲」であるとは聞いたことがない。したがって、企業や大学でProxyサーバを立てているとしたら、そこで asahi.com の内容をキャッシングすることで、朝日の著作権表示に抵触することになるわけである。言い換えれば、「たとえネットワークにいかなる負荷をかけようとも、中間のキャッシュは使うな」ということになる。これはずいぶんと『反社会的』な物言いではあるまいか?
※朝日新聞にProxyサーバに関する質問メールを送ったところ、 回答を戴きました。
ところで、この著作権表示で繰り返し現れる「asahi.com」ってのは、 DNS でいうところの www.asahi.com と等価なものはなさそうだ。そもそも asahi.com というドメインは存在するが、『ウェブ・サービスとして提供されている asahi.com』(上記URLより引用)は名前空間的には存在しないように見える。また、トップページ http://www.asahi.com/index.html には「asahi.com」と書かれているのだが、他のページにはそれが書かれていないので、トップページ以外の記事が「『ウェブ・サービスとして提供されているasahi.com』に登録されたもの」だと言えるかどうかは、やや疑問が残る。
「社会の木鐸」の意味を考え直さないといけないかも知れない、、、