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ミュンヘン
Munich
★★★★★★★★★☆
2005年 アメリカ
監督/製作:スティーブン・スピルバーグ
出演:エリック・バナ / ジェフリー・ラッシュ / ダニエル・クレイグ / マシュー・カソヴィッツ


☆こう観た☆
 史実を基にしたこの手の作品を観るたび、己の無知さに歯がゆさを覚えてはネットを駆使して知識を植
え付けようとするのだけど、そういう衝動に駆らせるのは単にその史実が興味深いというだけではなく、映
画そのものがよくできているということもあるのだと思う。
 1972年、ミュンヘンオリンピックの選手村にパレスチナゲリラが侵入し、敵対するイスラエル選手団を拘
束ののち全員殺害する。怒ったイスラエル首相は、その報復にイスラエルの秘密情報機関モハドの手を
借りて、関与したパレスチナ人を全員抹殺するよう命ずる。
 送り出されたモハドの一員・アヴナー(エリック・バナ)を始めとする5人の刺客。その任務は予想通り、
何一つ青写真どおりにはいかず危険な道を歩むのだが、その画を緊張感たっぷりに撮り、ぐいぐい引き込
んでいくあたりはさすがスピルバーグ(『マイノリティ・リポート』『宇宙戦争』のようなSFより、こういうのを
撮り続けて欲しい)。主人公・アヴナーは非情な殺し屋ではない。家族や仲間、巻き添えにしてしまった民
間人を思う時に見せる瞳はいつもやさしい。だから、やがて訪れる苦悩にこちらも胸がしめつけられると同
時に、その行く末を見届ける使命感を覚えるのだ。抑制気味に、それでも確かに伝わる喜怒哀楽。エリッ
ク・バナは本当にいい仕事をした。
 どちらが、何が善悪とも判断がつかぬまま、上映時間約3時間のドラマはあっという間に過ぎゆく。その
結末の果てに残るのは、この先もしばらくは答えは見出だせぬという自身の空虚なやるせなさだけだ。
written on February 7, 2006


▽オフィシャルwebサイト:こちらから



▽ここで観た:ワーナーマイカルシネマズ茨木 (大阪) 



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