WEBMASTER の 今週の述懐 . . . . .
先週の例には 次のような事実が含まれていると思われます。
1) 保全すべき都市景観が周囲にないので 突出してもかまわない、
と彼女が考えた可能性が強い。
2) 事実、日本の都市景観は最悪である。
3) 母国では 建築家のデザインに対する 行政・市民等の
アセスメントが厳しい。
4) 自国で実現できないことでも 日本でなら咎められない。
5) 突出する方が 日本のジャーナリズムでは優遇される。
6) 日本でなら 外タレとしても 有名になりやすい。
彼女を非難するつもりは毛頭ありません。
これは私たちの側の問題です。
そもそも デザインする時に 尊重するべき 都市のコンテクストが
ないのがほとんどのケースですから。
結局 我々日本の建築家自身の かなりの部分が
都市景観に関しては 事実上の外人なのです。
彼女と同じスタンスの上で、
すなわち周囲からの「異化」を「優越」として
デザインしていると思わざるを得ないわけです。
そして困ったことに
一つの良心的な建築として 美しいこと そのこと自身も
環境からの突出となっている場合が多いのです。
さらに、突出のための突出を意図した作品との境は
両義的なグレーゾーンでまじわっているため、
問題は非常に複雑です。
もう少し この点を続けてみたいと思います。
ではまた。 (^_^) 安達
98/02/08