太宰治がよく遊んだ
芦野公園
斜陽館から程近いところに芦野公園がありました。太宰がよく遊んだと言われています。このような美しい場所で、たくさんの名作を生んだモチーフを得ていたのでしょうか。
太宰自身は故郷の金木町のことを「善く言えば、水のように淡白であり、悪く言えば、底の浅い見栄坊の町という事になっているようである。(「津軽」より)」と書いていて、あまり好んではいないかのようですが、本当は人一倍この田舎を愛していたのではないかなと思います。
現在の公園は、整備が行き届いていて、ダムのせき止めでできた人造湖を中心にたくさんの木々に囲まれた、たいへんうつくしい公園です。オートキャンプ場やミニ動物園などもあって、誰でも楽しめるよいところだと思います。ぜひ1度訪てみてはいかがでしょうか。
公園内にある、太宰治の文学碑です。
中央には 「撰ばれてあることの 恍惚と不安 われにあり」とあります。
私たち人間の、本質的な喜びと不安を言い当てているような気がします。太宰治は、このような不安を人一倍強く感じたがゆえに、若くして自ら命を絶ったのかもしれません。
この線路は、私鉄の津軽鉄道のものですが、なんとこの線路、芦野公園の中を横切っているのです。これには驚きました。見えているのは芦野公園駅というれっきとした駅なのです。私が公園を散策してる間にも、五所川原行きの汽車が汽笛とともに通っていきました。
写真左側に旧駅舎があります。そこは今は「ラ・メロス」という名前の喫茶店になっていました。
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