1.グループワークトレーニングとは何か

 

 グループワークトレーニングとは何かというのは「リーダーのGWT」の235ページに詳しく書いてあります。岡崎さんが持ってきてくれた推薦図書の中に「小集団活動と人格変容」という本があります。P.B.スミスが書いた本ですが、その中に「グループワークとはグループアプローチとも呼ばれ、グループそのものを活用資源(リソース)として、トレーナー(ファシリテーター、セラピスト、ソーシャルワーカーとか全部含んで、GWTのアドバイザーも含んで、ここではトレーナーという言い方をします)がグループに働きかけ、グループ過程を通しグループの力動(ダイナミクス)、相互作用を利用してメンバーの人間的成長を図り、彼らの思考、態度、行動、感情に変化をおこさせると共に、社会適応をはかる教育的、または治療的な過程である」その中に、Tグループとかグループカウンセリングとかエンカウンターとか、それから集団療法とかソーシャルグループワークであるとか、いろいろなものが入っていると書いてあります。グループワークトレーニングもその中に入っています。

 グループワークトレーニングはグループダイナミックスをベースにしてやっています。ベースがグループダイナミックスですから、Tグループの考え方で、つまり、Tグループとはラボラトリー・トレーニング(実験室)の考え方でやっていますから、GWTというのは一種の実験の場です。臨時に作られたその場で、トレーニングをして終わったら現場に帰って行くんですね、そして、昨日言いましたように、GWTとグループ活動、グループワークは違うわけです。GWTとはあくまでも限定された時間の中で、限定された場所で、ラボラトリーとして行なわれるものです。それをたとえば学校GWTであれば、そこでやった、45分間でやった事を現場に適応して、日頃の班活動とかいろいろな場面で適応していく、しかし実際にはGWTで習ったことをすぐ出来ない、でもその事をある時に「あの時はどうしたんだっけ?」というふうにそこで現場に適応させながら人間を成長をさせていく、GWTの場とグループ活動の場というのは厳然と分かれているのです。そこがごちゃ混ぜになってくるのが問題なんですね。ですからGWTの場とグループ活動の場は明確に区別するようにしてください。

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