Tグループについての知識

 

2001年のGWTネットワークの研究課題としてGWTのベースとなっている『Tグループの研究』をあげています。このページでは研究の過程で関係者に是非見てもらいたいと思う資料を随時掲載してみようと思います。興味のある方は参考にして下さい。

1.Tグループとは

Tグループ(トレーニング・グループ)とは何かについては、現在研究中のためここではお世話になっている方々のHPから関連用語を引用させてもらいした。特に『Tグループ』『ラボラトリー・トレーニング』『感受性訓練』『ST(センシティビティ・トレーニング)』の違いを勉強中です。

@「つんつんの体験から学ぼう」から引用
http://www.ic.nanzan-u.ac.jp/~tsumura/minileture/yougosyuu.html

【Tグループ】

Tグループといった場合に、狭義にはTグループ(未知のメンバーで構成され、何を話せばいいとか、誰かがどのようにすすめるかなど一切決まっていないグループ)もしくは、そのセッションをさし、“今ここ”での人間関係に気づき、自分のことやグループのことを学ぶセッションであり、一般に、90分前後で1セッションが構成される。一方広義には、Tグループセッションも含め、実習を使ったセッションや小講議などからなる何日かの一連のプログラムからなるトレーニングをTグループと呼ぶこともある

A「生涯職業能力開発促進センター(アビリティガーデン)」から引用
http://nokai.ab-garden.ehdo.go.jp/giho/55.HTML

【ラボラトリー・トレーニング】

ラボラトリーとは一般に実験室のことをいいますが、トレーニングの過程が実験室のような小集団の中で行われるので、こう呼ばれています。プログラムもテーマもない独特なグループの中での自由な話し合い(フリー・フローティング・ディスカッション)を通して、他人の感情や欲求を感じ取ったり、自分の言動が他人に及ぼす影響を感じ取ったり、他人の目を通して自己を洞察したりすることを体験を通して学習します。 ラボラトリー・トレーニングはセンシティビティ・トレーニングの基礎となったトレーニングです。現在では、センシティビティー・トレーニングが人間関係に焦点をおいて行われるのに対して、ラボラトリー・トレーニングはグループダイナミックスに焦点をおいて、リーダーシップの開発や組織開発を主眼としているものを指して使われることが一般的です。

B「学校法人産業能率大学」から引用
http://www.hj.sanno.ac.jp/term/index.html

【ST(sensitivity training)】

感受性訓練のことだが、STという呼び方のほうが一般的である。ST(センシティビティ・トレーニング)は、1947年に行われたアメリカの全米教育協会の実験セミナーの中から生まれてきたもので、クルト・レヴィンの「場の理論」が背景にある。字のごとく、人間行動の知的な理解でなく、集団の相互作用を通じて対人的共感性を高めていく体験技法をさす。具体的にいえば、自己の感情が他人に与える影響や、他人との交流のしかたなどを、体験を通じて肌で学び取っていく研修技法である。この技法は組織開発の技法として位置づけられることもあるが、独立した技法としても十分活用が可能である。直接的フィードバックだけで研修が進められる特殊な研修であるため、専門団体で実施するか、専門的な講師やトレーナーに依頼しなければならない。

 

2.書籍からの抜粋資料

故坂野先生の蔵書から「感受性訓練:Tグループの理論と方法」(L.P.プラットフォード、J.Rギップ、K.Dベネ著・三隅二不二監修・日本生産性本部昭和46年発行)という1970年に世界ではじめてTグループについて書かれた書籍の日本語版をお借りしてきました。ここではその中から特に記録しておきたいなと思う部分を引用という形で紹介したいと思います。

@Tグループの本質についての書かれている部分

Tグループは、個人が学習者として参加する、比較的構造化されていない(unstructured)集団である。その学習のための資料は、学習者の外側に存在するのではなく、Tグループ内での学習者の直接経験とかかわりをもっている。つまりその資料とは、成員間の相互作用そのものであり、集団内での自分たちの行為そのものである。すなわち、成員たちが、生産的で、活力のある1つの体制、すなわち1つの小さな社会を創造しようとして奮闘しているとき、その社会内でのお互いの学習を刺激しあい、支持しあうときの相互作用そのものであり、集団内での自分たちの行為そのものである。経験を含むということは、学習のための十分な条件ではないが、必要条件である。成員たちは、Tグループにおいて、自分自身の行動に関する資料を収集し、同時にその行動を生起させるにいたった経験を分析するという探求方式を確立しなければならない。このようにして獲得された学習結果は、引き続きそれを利用することによって、さらに検証され、一般化されていくのである。かくして、各人は、他者に対処する場合の自分の動機、感情、態度などについて学習するであろう。あるいはまた、他者と相互作用の場をもつとき、自分の行為が他者にどのような反応を呼びおこすかについても学習するであろう。人は、自分の意図とその結果が矛盾するとき、他者との人間関係において、自由闊達にふるまうことができなくなるような垣根をつくってしまう。このことによって人は、自分自身の潜在力について[今までと違った]新しいイメージをつくりだし、その潜在力を現実化するために、他者からの助けを求めるのである。

(三隅二不二 訳)

2001.1.25記録


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