60.能勢町野間出野の道標

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能勢町野間出野42 府道4と106号の分岐点三叉路の4号を西に200m、三ツ辻南東部の常夜燈北東に
寝かされている
(太鼓の胴の一部分の様な形で、手前に立てたら案内面が北側となりそう)
自然石か 65x43x18p
N34.947394 E135.44271


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右面(北面)
┌――――――――――――――――――――┐
│右 ふくすミ              │
│   笹山               │
└――――――――――――――――――――┘

上面(東面)
┌――――――――――――――――――――┐
│            與三兵衛    │
│天保三歳辰正月 施主          │
│         久保 幸助      │
└――――――――――――――――――――┘
(「施主久保」は小さく刻字、両名の名字か)

左横面(南面)最も狭い面
┌――――――――――――――――――――┐
│(なし)                │
└――――――――――――――――――――┘

裏面(西面)
┌――――――――――――――――――――┐
│妙見山                 │
└――――――――――――――――――――┘
(「妙」の旁「少」のみくずし字)


(天保三年(壬辰)正月1日なら、西暦1832年2月2日木曜日となる。)
(『能勢の道しるべ』森本弌著1991発行では60)
(同書の説明がよく理解できないのでそのまま載せてみる。「天保三年正月に石灯炉と同時に建立され、裏
 側にこれも「妙見山」の刻銘があって献灯炉の軸に利用されていた。」とある。大きさからみて「献灯炉
 の軸」を、灯籠の「竿」と解釈すると、現在見える上部の形が円弧の一部の線状である事と、紀年「天保」
 の「天」の第一画目が隠れてしまう点で、火袋台を載せるには相応しくなく、灯篭の竿部では無かったか
 もしれない。が、周囲には火袋に見える石や台石にも見える石等もあり、灯籠の可能性は高い。
  この石が竿として使われていた場合、この石単独で竿として使用するのは難しく、他に支える石があっ
 たと思われるが裏面が見える構造を作っていたはずで、竿とするよりも、雪見燈籠の足の様に使われてい
 たかもしれない。(「正月に石灯炉と同時に建立」の石灯炉は現在隣にある灯籠の事とした。)
  何れにせよ、灯篭としてあったなら優雅なでものであっただろう。)
(裏面の妙見山の「妙」字はくずし字で書かれたものであろうが、旁部分「少」が楷書風に刻まれていいる
 ため、「妙」と読み難いが「妙見山」とした。)
(同書に「元位置は下代の猪ノ子峠道が、府道(能勢街道)と分かれる三差路に立っていたと思われる。」
 とあり、「右ふくすミ・笹山」は「福住・篠山」で兵庫県の篠山市とし、西猪ノ子峠を指すのは間違いな
 いと思われる。
  明治の地図で見ると、現在の交差点より30m程西の民家の北西部
N34.947092 E135.444337
 辺りに、南西から来た道(能勢街道支線か)が北に突き当たるT字路が見え、この辺りであろうか。
  辻の形状からすれば、辻の南西部、或いは南東部に、「右笹山」面が東面或いは北面していたと思われ、
 裏面の「妙見道」が指す方向を東とすれば、南東部に設置がより相応しいであろう。)
(参考の為横にある同時に造られた灯籠(常夜燈か)も載せておく。
 又、よく似たものとして同年8ヶ月後建立の「野間稲地燈籠の道標」も参照下さい。)

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【1.灯篭を北に望む 【2.道標を南西に望む 【3.道標を南に望む
 左(西)猪ノ子峠へ  灯篭右手前が当道標  奥左右が現府道106号
 右、野間中へ】  他石に寄り掛かる】  左手前が当道標】

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【4.道標の周囲の石 【5.道標の刻字部分 【6.道標上部を北東に望む
 中央は火袋か  左側(東面)「天保…」  上面中央部はやや窪む
 右横が当道標】  右側「右…笹山」】  竿なら隙間が出来る】

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【7.道標の右面拡大 【8.道標の正面上部 【9.道標の正面下部
 「…ふくすミ」  「天保」の一画目が  中央「…正月 施主」を挟み
 「笹山」と読める】  上部稜線に掛かる】  「與三兵衛/久保幸助」】

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【10.道標の裏面拡大 【11.道標の火袋候補
 「妙見道」竿として  形状から見て
 自立出来るか】  火袋に違いない】

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【12.能勢町西部の道標】 【13.能勢町東部の道標】

【横に立つ常夜燈】
竿部のサイズ 65x43x18p 四面あり
火袋台の平面は三角で北面に「妙見山」を刻む


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北面
┌―┐
│ │┌――――――――――――――――┐
│妙││奉               │
│見││献               │
│山│└――――――――――――――――┘
└―┘

北東面
┌―――――――――――――――――――┐
│永福講中               │
└―――――――――――――――――――┘

西面
┌―――――――――――――――――――┐
│天保三年辰正月日           │
└―――――――――――――――――――┘

南面
┌―――――――――――――――――――┐
│(なし)               │
└―――――――――――――――――――┘


写真fimg3827
【14.今も火が点る常夜燈を南に望む】
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