QSLカード考・勝手に分類

この原稿は、大宮アマチュア無線連盟の会報1993年(平成5年)3月号にJN1WTQが投稿掲載されたものを一部修正したものです。


QSLカードを分類すると申しましたが、よく考えてみれば皆さんもQSLカードはたくさん受け取られているわけですから(私の1900枚など取るに足らない?)、べつに大げさなことではありません。ただ、アマチュア無線の入門書や雑誌などには、「QSLカードとは何か」とか「QSLカードの種類(写真を使ったもの、ログ形式のもの等)」、「必要事項の記入のしかた」という記事はありますが、「実際にどのようなカードが流通しているのか」という実勢状況の記事を見た記憶がありません。どうも人様がどんなカードを作っているのか気になります。

ところで、一応QSLカードを分類するうえで、JN1WTQが受け取ったカードの傾向を明らかにしておく必要があります。

「全体の81.5%がコンテストQSOで得たQSLカードである」
「全体の92.5%が50MHzSSBで得たQSLカードである」
「QSLカードの数は、同一局、同一カードの区別をしていない」
A局が10枚の同じカードを送ってきても、B局が1枚1枚違う種類のカードを10枚送ってきても、データの補正は特に行わず、この場合、A局の使用したカードが数量、割合ともに優勢となる、という訳。

すなわち「JN1WTQの受け取ったQSLカードは、ほとんどが50MHzSSBでコンテストによく出る局のQSLカードである」(注1)

これでお分かりのように、普遍的とはいえないかなり偏った状況にあり、一般的な状況とイコールと考えることはできないと思います。本来ならば3.5あたりから1200くらいまでの間で均等に収集したQSLカードを使用すべきでしょう。

まず、QSLカードを大きく4つの種類に分類いたしました。

「規格カード」:印刷会社がデザインをして、注文主のコールサインを入れれば完成、というカード。(1892枚中475枚、25.1%。平成4年12月末日現在、以下同様)

「自作カード」:自分、もしくは第三者がデザインしたもの。印刷会社に版下を送って印刷されたものと、プリントごっこなどで自家印刷されたものとがある。
(1251枚、66.1%)

「市販記入」:コールサインを自分で記入して完成、というカード。ハムショップなどで売っている。
(112枚、5.9%)(注2)

「クラブ」:クラブで統一されたデザインのカード。JAG、ユニセフ、東大和クラブなどが多い。
(54枚、2.9%)

皆さんが発行しておられるQSLカードは、どれに該当いたしますか? また、皆さんが受け取られているQSLカードの傾向はどんな状況でしょうか? 特にHFとV/UHFで差はあるのでしょうか。
意外に思ったのは、自作のカードが2/3を占めていたことです。10年前HFでオンエアしていたころは半分以上が規格カードでした。ほかにも一枚一枚観察してみると、結構面白いことがわかります。次回からはひとつのテーマに沿って気がついたことを書いてみましょう。

(1993年3月号会報)
(注1)このあたりは今もちっとも変わっていません。
(注2)これは最近ほとんど見かけなくなりました。

(1998年5月17日UP)



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