西黒森  1994年7月9日他

冬季閉鎖の期間を除けば「村道瓶ヶ森線」にはいつも沢山のマイカーが乗り入れ、道沿いの石鎚国定公園の山々にも登山者が多い。
しかし、西黒森は瓶ヶ森(かめがもり)や伊豫富士(いよふじ)に比べて人気は薄く、ゆえに静かな山である。
西黒森への登山口は、東の自念子の頭(じねんごのかしら)との鞍部にある「神鳴池(かんならしいけ)」からと、西の瓶ヶ森との鞍部にある「吉野川源流の碑」からの2ルートがあり、神鳴池からの道はルート上の展望がやや良くないものの自然は豊かで山頂までの所要時間は約10分ほど長い。
今回は吉野川源流の碑からアプローチすることにする。

登山口付近にて
 登山口付近にて西黒森をバックに、左からJF5FBL・JE5EMS・JE5UOP・JA5HAC。

登山口の林道眼下には「”四国三郎”吉野川」の源流とされる白猪谷(しらいだに)が延びてきており、よってここに立派な吉野川源流の碑が建てられている。だが、実際の源流点の碑は足元のその谷にあり、車道は無い。
村道脇に車を止めて源流の碑のそばを駆け上がると、ものの数歩で県境の尾根である。ここを左に行けば瓶ヶ森である。
歩き始めの登山道からは左眼下に愛媛県東予地方の街並みや瀬戸内海が望める。
山頂手前のコブを過ぎると登山道は山腹の南を縫うため北の展望はきかなくなるが、登るにつれ伊吹山がはるか下に、筒上山や手箱山が目線になってくる。
ササの登山道から樹林帯に踏み入れると間もなく、西黒森山頂への分岐である。
縦走路を外れ、ここからは真上に見上げる急坂の登りになる。

目のくらむ直登
 登山道のクライマックスは厳しい直登。登り切れば山頂。中央眼下の白い帯は村道瓶ヶ森線。

山頂直下の急な登りでは、しぜん両手が前に出てしまう。というより手をつかないと登れない。
急坂の途中で一度息を整えて、後は一気に山頂である。
(坂を登りきると道は分岐しているが、どちらを辿っても山頂にはすぐに到達できる。
山頂に三角点は無いが標はある。山頂自体は狭い。
付近をぐるりと回ってみると全体に切り立った山であることがわかる。

山頂にてアンテナは東向き
 西黒森山頂の脇でアマチュア無線の運用。南の高知県の山なみには雲がかかっている。