「びっくり!!  ボディーってこんなに違うの?」  <そのU>

 

ボディーだけで比べても体型の変化は分かりづらいので同じデザインのブラウスを作成しました。
プリンセスライン・シャツ衿・一枚袖の簡単なものです。
先にレギュラーサイズを作成し、エルサイズにグレーディング後、ドレーピングで修正しています。
クイーンサイズも同じようにエルパターンをグレーディングし、ドレーピングにて修正しました。
レギュラーサイズからクイーンサイズにジャンプしてしまうことも数字上は可能ですが、
体型が変わるということを考えるとかなりの無理があります。
同じように見えながらそれぞれの体型に合う立体的な形に変えています。
肩幅を広げすぎないこと・前衿付けを上げること・袖下を高くすることに注意しました。
この三箇所を意識することにより、若く見える服が出来ます。

  クイーンサイズ

エルサイズ

レギュラーサイズ

 

3サイズのトワルを並べてみると、ボディーの時より細く見える気がしませんか?
パターンの構成は同じです。寸法を表示した方が分かりやすいですね。

  クイーン エル レギュラー
肩 幅(cm)  42  41  38
バスト(cm) 122 108  95
クイーンサイズの肩幅に注目してください。普通にエルサイズからクイーンサイズにグレーディングを
してしまうと肩幅は45cm位になってしまいます。体が大きくなっても肩幅はそう広くなりません。
ここでは意識的に狭く作りました。その弊害として袖山のイセが多くなりました。
全体で2.5cmはちょっと多いかも・・・。素材によりイセは入りますが、肩幅を43cmに修正し、
    イセを減らすか袖山を低くし巾で調節する必要がありそうです。

  クイーンサイズ

エルサイズ

レギュラーサイズ

 

側面写真の注目ポイントは、袖巾の変化です。当然のことながら体の厚みが増せばアームホールの巾も広くなり、
それに伴い袖巾も広くなります。大きなサイズの袖は、腕を動かしやすいゆとりを持たせ、細く見せることが大切です。 袖の渡り巾を意識的に広げます。パターンの袖山は、風船を膨らませたように丸くなります。 そして袖下で巻き込み、ギュッと返すような付け方です。そうしないと袖巾が広くメリハリのない太い袖になってしまいます。
イセの分量と作りたい袖の形状 そして着る人の腕を想像しながら袖付けをしましょう。

  クイーンサイズ

エルサイズ

レギュラーサイズ

 

後身頃で大切なところとは肩ダーツの処理と背幅の取り方です。レギュラーサイズのみの作成ならば、肩ダーツはいりません。 しかし、エルサイズ・クイーンサイズは絶対条件です。今回プリンセスライン切替にしたのは体型の変化をパターン上で見やすくする為です。
バストダーツと同様に肩ダーツもびっくりするくらい多いです。パターンの形状とその差寸を覚えると体型変化は比較的容易です。 他に気をつけることは、二の腕後の肉付き具合を意識し、気持ち多めに巾を出します。その為、袖の振りがやや前よりになります。

作成段階でクイーンサイズのバストダーツの処理に手間取りました。
アームホールの浮きが他のサイズより多いのです。プリンセスラインの切替であれば、ダーツ処理は問題ないと見込んでの作業でしたが、予想以上でした。
レギュラーサイズのバストポイントは<点>ですが、クイーンサイズのバストポイントは≪面≫です。
横からの写真を見るとそれが分かると思います。エルサイズとクイーンサイズの前アームホールに膨らみが見られます。 プリンセスラインに入れることの出来ない分量もあるということが理解できました。
各サイズの大きさの違いは理解して頂けたと思います。
パターンではどのような違いがあるのでしょうか?
これらのパターンをコンピュータに取り込み重ね合わせて比較してみましょう。


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