Letters from the Roadから

HOME COOKINGのページに載っていたボーイ・ジョージからのお手紙です。
1999年中に書かれたものです。

原文はこちら
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99/12/20
ボクがあらゆる事を書いて、謝ってから何日か経っている。あのミラーボールの一件から少し休んでたんだ。首が少しうずくけど、ほんとにダメージもなくやっているよ。ボクたちは今ブリテン島のずっと北にあるニュー・キャッスルに向かっているところなんだ。マンチェスターでの夕べのギグはうまく行ったよ。今日はギグはないから、着いたらクリスマスプレゼントを買いに、みんな出かける予定。ボクは去年以上に今年のツアーを楽しんでいるよ.。新しい曲をやるのはうんと楽しいよ。日本やオーストラリアではもっと入れたいね。

ダイエットするとわかるんだけど、ボクは災難が服着て歩いてるみたいなものなんだ。ツアー中に健康を保つのは本当にきつい。夕べはホテルで酔っ払ったマンチェスターのじもてぃと危うく乱闘になるところだったんだ。あいつらときたら、僕たちの歌を下品バージョンで歌ってたんだ。マンチェスターじゃ、いつもろくなことがないよ。去年なんかホテルのバーで、すごいパンチを見たんだ。かわいそうに女の人が作り物の柱に打ちつけてた。ズィーは男みたいだし、男の人くらい体も大きいから、酔っ払い相手にスポークスマン(代弁者)をやってたよ。

ボクがタバコを止めるのは死に物狂いのことなんだ。だからどんないいことだって、評価されるはずだよ。ボクは今年の初めに何週間か止めたんだけど、また吸い出しちゃったんだ。バカなボク。

ボクたちのバンド演奏についてのジョン・テーミスの手紙をみんなに見せないとね。すごく面白いんだ。お客さんは気がついてないんだけど、いくつか間違えてるんだ。ボクたちは完璧に近いものを目指してるんだよ。どんなコメントも、ギグに来てくれた人からのは歓迎するよ。君はどう思った?

ぼくはついに自分にぴったりの服を手に入れたような気分だよ。自分で作った「ヤシュマック」の一種を着ているんだけど、アリソンがこっそり作るのを手伝ってくれたんだよ。彼女はロンドンに5日間くらいいたんだ。(ヤシュマックは)すっごくいいね。彼女のサイトに載ってるボクのメッセージを読んでくれたかい?

 ジョージ…


1999/12/16 ウェンブリーにて
やあ、みんな!

チャズ・ダバットです。元気?ファンキーなキーボード・プレイヤーなのさ。98年の10月にカルチャークラブと合流して、それ以来振り返ったことがないんだ。ジョン・テーミスとぼくは二人ともギリシャのキプロスの出身で20年くらい戻っているときに、ジョンが誘ったんだ。ぼくは、あの有名なロンドンのウェンブリー・アリーナの控え室でこれを書いてるんだけど、ロイはズボンを下げて走り回ってるし、メンバーたちは観客リストにかつて好きだった人(今はもう好きじゃないんだけどね)の名前がみつからないって、その人たちを探し回って出たり入ったりしている。マイキーはシャワー室でタオルを探して叫んでるし、ジョン・テーミスはカルチャークラブのサバイバル・シートを配ってる。ズィーはママを探している。ベリンダは後ろの方で騒いでる。チャンネル4はドキュメンタリーを撮影中。ジョージは痛めた肩を手当てしている(まさにCold Shoulder)。ジャド(昔からカルチャークラブといっしょにやってるハーモニカ奏者)は、キルトの下でナニをちらつかせている(ちょっとだけね)。カルチャークラブの周りは混沌としてて、そんなわけで、ぼくはこのバンドが大好きなんだ。

早くみんなに会いたい。叫んじゃうよ。

敬具 ダバット

ハーイ、マイキーの息子のミロとパコです。ハッピー・クリスマス&ハッピー・ニュー・イヤー。バイバイ。


1999/12/14
ジョージはウィークリーのコラムを書くのに私のラップトップを使ってます。で、その写しをネットに挙げる方法を聞いてきました。

ぼくは自分がゲイなのはわかってるんだけど、年をとるにつれて、これまでほど自分のコミュニティーで通じ合うものがなくなってる気がするんだ。先日の夜、気がついたら「ヴェンガ・ボーイズ」のせいであるパフォーマンスに参加させられてたんだ(偶然にも加わらなくっちゃいけなかったんだ)。
彼らはオランダの出し物なんだけど、彼らは自分の民族にプライドを持ってやってないね。彼らはチャリング・クロスロードにあるG.A.Yっていうでかいゲイクラブで上手にパントマイムをやってた。で、女性達は彼らがすごく気に入ってたね。口笛を吹くのや、手を振ってるのや、ダンスの群れを見渡してると、自分が宇宙人で場違いな気分になった。どんなふうにこのポップスの失敗作を真剣に受け止められようか?公平に見て、ヴェンガ・ボーイズの一人、がっちりしてて白いベストで水夫の帽子をかぶってた奴は結構いけてた。でも、それがそこまでの崇拝を受ける保証をするほどのものなのかね?彼らは単に素晴らしいゴーゴーダンサーズに過ぎない。彼らは食い物にするために、レベルの低いポップスに心を鈍らせることと、最新の流行に載せることを、一緒にしているのだ。ゲイ・コミュニティーなんてものがもし存在するなら、それは単に地図の上にこのくずをはっきりつける役を担ってるに過ぎないのだ。イケてるルックスや鍛えた体は若いゲイの集団には才能よりも大事なものなんだ。90年代、ゲイクラブはほんとに幼稚園で、ぼくみたいなちょっと年を食った奴でさえ'Stanner Chair Lift'がほんのちょっと前であるかのように感じて取り残されてしまうんだ。ぼくはヴェンガボーイズに反対する気はないよ。おかげで稼げるからね。でも、彼らはなぜ、客船に乗ったり、大陸側のリゾート地に行けないんだろう。そこから逃げてきたのかな?彼らの生み出す雑音ときたら、日にたっぷり当たって、たらふくサングリアを飲んだ後には唯一例外だろうね。

太陽、正確に言えば、'Seasons In the Sun'なんだけど、何でアイルランドのグループのWestlifeはこの70年代の下品なバラードをカバーしたんだろう。その日は悪い日だったのかね?学校ではよく詩を歪曲してたものだよ。ついてないことには、その詩は学術書に載せるには品がなさすぎるんだ。でも、事情はわかるよ。ボクはこのぞっとするポップスを聞くと、自分はもう学校に行ってないことがうれしくなるんだ。それから神様、リトル・ジミー・オズモンドに感謝するんだ。知ってのとおり、良い悪趣味と、悪い悪趣味の間には大きな違いがある。悪趣味なクラシックというものは脳みそをぐりぐり言わせるんだ。たとえば、バックス・フィズの作品とかね。一方で、悪趣味って言うのはいつでも復活可能で、再解釈のためのどんな言い訳も不要なのだ。誰かが「カーマは気まぐれ」をうまくカバーしてるのをイメージできるかい?もちろんできやしないよ。ぼくだけがその歌に責任をもてるし、リトル・ジミー・オズモンドだけが、リバプール出身の長髪の恋人を自分のものにできるんだ。悪趣味のクラシックは自分のおばあさんの屋根裏部屋でカモの集団が飛んでいるのを発見するようなものだよ。それは、人を笑わせるだろう、それもべったりと笑わせるだろう。でも、そのカモを自分の部屋に入れてやることはしないのだ。ぼくはかなりの最近のポップスが悪趣味なクラシックになるだろうと気にしているんだ。でも、少なくとも20年間は大丈夫だろうね。そのときまでにはローナン・キーティングは新テリー・ウォガンになってるだろうし、スー・ポラードは首相になってるだろう。いまのところそれはkitch(意味不明)だろう。

カルチャークラブはツアーでこの素晴らしい国をまわってるんだ。今のところ、楽しいよ。クラブサンドイッチツアーには、バナナラマ、ベリンダ・カーライル、ヘヴン17って他の80年代のグループのステージが入ってるんだ。みんな一まとめになってるから、ちょっとした事件もあるね。カーディフでは、ベリンダがサウンド・エンジニアに切れて、卑猥なことを叫んでたよ。でも、ぼくは彼女のその精神に感心するね。ツアーはまさに30くらい。ジョンやボクと一緒くらい。ボクのメイクアップ・アーティストはヘヴン17のグレン・グレゴリーと結婚してたことがあるんだ。意外だけど、ぼくたちは幸せな大家族ってかんじ。これはぼくたちがみんな成長したって証拠かな。OK、ボクに'Stanner'のカタログを送ってよ。


1999/12/14
やあ、みんな。こちらはケヴァン。ぼくたちは南のボーンマスにいます。控え室からベリンダ・カーライルのバンドが、がたがたやってるのが聞こえるんだ。つまり、君たちにメッセージが送れる時間が5分あるってこと。やあ、ジェニファーとテリー!きちがいじみたアメリカの賞を今年取ったんだって。ジェニファー、ぼくは4番だよ。ずっと北のカナダのトロントのトレイシーとクレイグへ。やあ!犬のデイジーは公式的に言っても世界で一番甘やかされた犬だよ。みんな、ジョージからドライバーまで彼女にクッキーなんかをあげてるんだ。彼女はツアー開始から少なくとも6ポンドは増えたと思うよ。今夜ショーの後ロンドンに帰って、自分のベッドで眠れるのがみんな楽しみなんだ。ジョージはツアー中ずっとご機嫌だし、ぼくは6年間彼と一緒にいるけれどファンからこんなに歓迎されたのは見たことなかったよ。あっ…と、行って、喉のウォーミングアップをしなくっちゃ。30分でおぼれた猫みたいな声をきかせないようにね。

また近いうちに、神様のご加護がありますように。ケヴァン。


1999/12/14
カーディフではうまく行った。お客さんは他の人の演奏ではちょっと冷たかった。ベリンダはサウンド・エンジニアに対してちょっとおかしかった。「私はここにいるはずじゃないのよ!」って。今のところ一番反応が良かったのはヘヴン17で、彼らはお客さんをひきつけているようだ。公平に言って、自分たちがビラの一番上に書いてあるのはきつい。みんな自分たちが知ってる歌に一番よく反応する。でも、その歌もまだまだ手を入れなくてはいけない。常々言っているんだが、マイケル・ジャクソンやプリンスのようなダンスや小道具を使った演奏では我々他のものにとって、曲がだめになってしまうんだ。ただ出て行って、自分の歌をそのまま歌うのは大変なんだ。観客は目を見張るようなショーに慣れているが、うーん、ぼくの女物の服や帽子がショーの一部とみなされなければ、ぼく達は歌をそのまま披露しているだけなんだ。

ぼくの完全菜食主義のダイエットへのこだわりはややこしくなっている。昨日、ぼくは健康食品のお店を探してカーディフを一時間ドライブしたんだ。一軒見つけたよ。ほんとおかしいんだけれどさ、ビーンフリークス、つまり豆きちがいっていうんだ。もちろん、女の子は豆以上に必要だよ。この健康食品探しは全て、友人のドラガナ・ブラウンと一緒に書いている新刊予定の料理本のリサーチなんだ。ぼく達はThe Karma Cookという本を出す予定なんだ。ぼくは旅行でのあらゆる材料のことを書き、上品な食べ物を見つけようとしてる。だからこんなツアーはすごく知識が入ってくる。ぼくとアマンダはインスタントのミソ・スープでやけどした。バスとミソ、一緒にしちゃいけない。

今回のツアーの衣装が好きじゃないから、ロンドンから新しいのをいくつか送ってもらった。キモノタイプのものを着てるんだけど、それを着ると太って見えるんだ。ブライトンでの初日はお客さんに「お前、変に見えるぞ」って言われた。面白かった。今夜バーミンガムでも着てみるかも。

ツアーは大詰めで、今日は緊張している。このバスときたらすごくがたがたゆれて、バスに乗ってるとよくないんだ。


1999/12/14
やあみんな。リッチーです。覚えてね。パーカッションやってます。えーと、このツアーでは新しくてステキなステージのセットの30フィートくらい上のところにいるんだ。昨日ブライトン初日のギグをやったんだ。ほんとにうまく行ったよ。ぼくたちはショーを始めるのにほんとにいいキャンプ生活のスタートをしたよ。おかげでぼくたちはイカしたリズムを披露できるチャンスをもらえたよ。今カーディフの控え室にインディアン・ヒッピージャケットを着て座ってるんだ。ジョージがステージで着るようにって貸してくれたんだ。ぼくがこのジャケットを手に入れられたのは、バンドのメンバーの中でぼくが唯一サイズがぴったりだったからなんだ。ぼくは4フィート6インチしかないからね。おっと、ちょうど行く時間だ。サインオフしないと。また世界のどこかのステージで会おう。
愛を込めて。
リッチー

やあ、ケヴァンです。このツアーではリンダやズィーと一緒にバックボーカルをやったり、キーボードをやったり、ボーイ・ジョージのパーソナル・アシスタントをやってます。ツアー2日目のカーディフのステージを終わったところなんだ。5分前ぼくたちはステージの上にいたんだ。ぼくはジョージのパンツを持ち上げる安全ピンを探してたんだ。ステージは安全ピンのおかげで助かったんだ。じゃ、また近いうちに話そう。犬のデイジーにジンジャークッキーをあげないと。

やあ、みんな。ロイです。ちょうどカーディフのステージが終わったところなんだ。グレートなギグだったよ。ぼくはジョージがみんなに"YOU LOOK RIDICULOUS(馬鹿みたいにみえる)"って歌わせたのを見そびれちゃったけどね。

クリスマスにLAに戻るのが楽しみなんだ。願わくば来年の夏ツアーで会えるといいね。

愛を込めて。
ロイ