僕は文系出身のビジネスマンとしては、もしかして日本で一番学校に通った人間かもしれない。学校の数もそうだが、通算して通った年数がとても多い。社会に出てから何かの学校やクラスに出ていなかった時期というのが殆ど無かった。それぞれの学校に通学した年限を足し上げれば、きっと僕が生きてきた年数より長くなるはずだ。 約25年間、僕は「ワーキング・ステューデント」としてそれこそ各種の学校に通いつづけてきたわけだ。僕の場合、キャリアが学習を求め、学習が新しいキャリアをもたらし、「学習とキャリアの幸福ないたちごっこ」が続いてきた。 現在だって体調維持と趣味のために、平日の夜と週末とに二つの異なるテニス・スクールに通っている。 「テニスなんて、趣味ではないか、学校などどは言えないだろう」 と、おっしゃる向きもあろう。しかし、僕の中では「運動系」も「学問系」も、共にほぼ同価値的に重要なスクーリング活動だ。 その他に「実務系」の学校なども存し、これには「語学系」のコースも含まれる。「語学系」を中心にして「実務系」の方の学校にもたくさん通った。「運動系」と重ねて通っていた「ダブル・スクール」族の期間も長いわけである。 僕のような人はしかし、決して少なくないのではないか。社会に出てからも学校に行って勉強を続ける、あるいは再開することに興味を持つ人がとても増えている。学生時代の時よりもそのような欲求を強めている人が多いように見える。 その中には、純粋に学問知識の積み重ね、継続、言い換えると知的探求心のやまないところに駆り立てられている人もいるだろうし、ビジネスに直結する知識やスキルを取り入れ、それを自らのキャリア開発に役立てようと思っている人もいるだろう。資格取得の早道として学校に通うのも賢い方法だ。 忙しく働く現在のビジネスマンが、如何に時間を偸んでイブニング・スクールに行き、それを自己開発あるいはキャリア開発にどう繋げるか。あるいは単純にスクーリング自体を人生の楽しみ、喜びとして見つけることができるか。僕は僕自身の学習方法を見つけて来たつもりである。 本書により、読者はそれぞれに最適な勉強方のヒントが得られる。特に学習を通じての「キャリア開発王道派」には是非読んでほしい。その取り組み方や効率に必ず役に立つはずだ。役立ち、かつ「学び」の楽しみを追求する、「スクーリングの快楽指南」ともいうべきものが本書である。 2002年8月 山田 修
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