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社会人勉強帳

[008] 英会話のクラスはティー・パーティ? (2002/11/19)


さて、そんなこともあり、僕は四谷PL外語学院への夜間の通学を欠かさないようにした。週2回のクラスだった。

欠席も無く、よく通ってくるので、主要な先生方とは親しくしてもらえるようになっていた。

クラスを終わって、先生を囲んで食事やお茶に行くような機会も結構あって楽しかった。前に書いたように、この学校は比較的少人数クラスで運営していた。

ある日、主任講師である、ウォーカーさんと一緒に二人だけで話し込んだことがあった。ウォーカーさんは40がらみの英国人の男性で、独身だった。もう、十年近くこの学校で教えている、看板教師の一人だった。

クラスのほかのメンバーがいると、いつもは比較的差しさわりの無い話題で盛り上がるのが常だったが、その日は、ウォーカーさんがどうも落ち込んでいて、僕が彼の愚痴を聞いてやるような成り行きだった。きっと、二人だけだったこともあったのだろう。僕にとっては、結構な無料英会話レッスンだったわけだ。

ウォーカーさんは、

「英語を教えることにもうすっかり飽きてしまった」

と言うのである。

「英会話のクラスというのは、just a tea party」

というのだ。英国の午後のお茶会と同じで、差しさわりの無いトピックを連ねて時間をつぶす――。それを職業として十年一日同じことを繰り返している自分にすっかり飽き飽きしてしまった、というのである。

先生にそんな話を振られても、生徒のほうとしては大して慰めようも無い。でも、愚痴をこぼすというのは、とりあえずそれを話すことで発散できるということなのだろう。

こんなやり取りがあった、翌年の春、僕は通う英語学校を変えてみた。


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