交わる世界 Faile 7 「不気味の谷について」

今年、神戸市で、「KOBE Biennale 2007」が行われるのですが、すでにプレ・イベントは行われていて、やがてそのメイン展示が、十月六日から十一月二十五日まで行われます。つきましては、この度その組織委員会から、神戸ビエンナーレ・ロボットアート(インタラクティブ・アート)国際コンペティションの審査員の委嘱を受けました。

これまでロボットに関しては、かかわってきたアニメーション番組ではかなり縁がありましたが、今回はちょっとその狙いの違ったもので、わたし自身大変興味を持っていたところでした。

先日、NHKのドキュメント番組でも取り上げていましたが、もうロボットというものが、工場で活躍するただの作業ロボットという段階から、病院や家庭へ入り込んで、人間と同じ場で生活する、これまでとはまったくレベルの違ったレベルのロボットが登場して来ていることを伝えていました。

わたしたちの癒し系ロボットの知識といえば、その初期的な状態として、SONYのアイボがかなり評判になりましたが、あれはあくまでも高価な玩具といった段階のものでしたが、あれから何年たったのでしょうか。

ロボット工学という見地から見ると、すでにロボットの世界は、我々の想像も出来ない進化を遂げているといいます。関係者である大学の教授によりますと、もうすでに技術的には、人間のそっくりさんを作り出すことも、可能なほど・・・つまり進化して来てしまっているというのです。しかしみなさん。もしあなたとまったく同じ人間が・・・、皮膚感覚もそっくりなもう一人の自分が、隣にいたとしたらどうでしょうか、しかも彼が、わたしたちと同じような感情表現をするとしたらどうでしょうか・・・。気持ちのいい存在でしょうか。いえ。怖くなるのではありませんか。

学会では、このラインを「不気味の谷」と言っているそうです。つまり現在のロボット工学の問題点は、このあたりにあるわけです。人間が恐怖を感じないで受け入れられるのは、どこまでなのであろうかということなのです。

技術的にはどんどん進化していくし、すでにそれはかなり極限まで実現できると言うのですが・・・。人間にも愛される未来型のロボットとは、どんな姿のロボットなのであろうかというのが、今回わたしに与えられた課題なのです。結果は判りませんが、とにかくわたしなりの感性で、審査をしてみたいと思っております。

はじめは、第一次審査は神戸市の組織委員会でやるという話も出たようですが、その段階で我々が意図しない作品ばかりが選ばれて残ってはまったく意味がないということで、一次審査から委員が行うということになりました。

第一次審査は、9月19日ということに決まったという連絡が入りました。

とにかくハートを感じるロボットアートということが、審査をするポイントです。常識的なフォルムによるだけではないロボット・・・つまり次の世紀につながっていくようなロボットの、リーダーになるようなものを選びたいと思っているのですが・・・。

どうかお時間がありましたら、是非、港町神戸のメリケン波止場へでもお出かけ下さい。つきましては、実行委員会からもお知らせが送られてきましたので、併記させて頂きます。

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今秋、神戸ビエンナーレ(10/6〜11/25)が開催されます。

実行委員としてこれまでの現代美術祭とは異なる新企画を実施いたします。プレイベントも精力的に催し行きますが、コンペも多用しておりますのでお知り合いの方々へ参加を促して頂ければ幸いです。


HYPERLINK "http://www.kobe-biennale.jp/" http://www.kobe-biennale.jp/


またはインターネットの(検索)で、「神戸ビエンナーレ」と入れると詳細が判ります。

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今回はお知らせと、ご案内を兼ねて書きました☆