交わる世界 Faile(58)「また逢う日まで・・・」

5月下旬に、歌手の尾崎紀代彦さんの死が報道されました。

特別親しく付き合ったわけでもないのですが、思い出に残る人になってしまったので、書いておくことにしました。

「また逢う日まで・・・」は、散々テレビ、ラジオに流れたヒット曲で、さまざまな賞を受けていますから、高齢の方はほとんど耳に残っていることと思いますが、私はそれほど感動するということはありませんでした。

記憶に残っているといった程度の興味だったでしょうか。

ところが数年前に、コロンビアレコードからのお付き合いがあった方が、湘南のレストランで、ハワイアン・コンサートで歌を披露するというので、応援を兼ねて参加したことがあったのですが、その時に、フラッと遊びにやって来たのが、尾崎紀代彦でした。

バンド仲間と親しいとかで、彼もまったくその応援を兼ねて遊びに来たのですが、多少お酒も入ったところで、飛び入りで歌を披露するということになり、コンサートを大いに盛りあげたのですが、冒頭で彼は、こんなことを言いました。

「また逢う日までを希望していらっしゃるかもしれませんが、あれは営業で歌うものなので、今日は歌いません」

そして彼はコンサートのテーマであるハワイアンの好きな歌を歌いました。

興に乗ったのでしょうか、彼は飛び入り状態で、数曲歌ってくれましたが、私はその時の彼の歌が、今でも耳に残って離れません。

営業抜きで、彼が気に入っているハワイの歌を歌ったのですが、その曲名も覚えていないのが残念ですが、彼の豊かな声量が湘南の浜辺に響いて、実に気分のいい雰囲気を作り出して行きました。

あの時の尾崎紀代彦の姿が、忘れられません。

そしてもう一度、あの時歌ったハワイの歌を、もう一度歌って貰いたかったな。訃報を知って改めて、思い出したのでした。 豊かな声量で歌い上げた、ハワイのゆったりとして甘い、心地よい響きが、いつまでも湘南の浜辺と共に、忘れられない思い出となっています☆

雪の鹿苑寺金閣の写真