観る世界 Faile(22)「宇宙飛行士たち」

観る世界・・・つまり映像に関係のある話題を中心としたページなのですが、タイトルを見て、いささかその訳がお判りにならなくて、戸惑っていらっしゃるのではないだろうか。宇宙飛行士たちがどうしたのか・・・それについてお話しなくてはなりませんね。

つい先日、女性宇宙飛行士としては、日本人として二人目の山崎直子さんが、2010年にスペースシャトルのアトランティスで、国際宇宙ステーション(ISS)へ向かい、その建設のために14日間ほど滞在すると発表されました。日本人宇宙飛行士としては、内藤千秋さん以来の女性宇宙飛行士で、しかもお子さんを持ったお母さんでもあります。さまざまな訓練の負担を考えると、今はかなり改良されてきてはいるとはいっても、女性の逞しさを感じさせる快挙だなと思いました。最近は女性でも充分に任務をこなすことが出来るようになってきているのでしょう。不安といったものは、ほとんどありません

ところで、今回こんな話をすることになったのには、ある理由があったからなのです。実はわたしの気に止まったのは、そうした作業の利便性や、女性の逞しさということではありませんでした。ようやくここで、「観る世界」で取り上げた意味がお判りになったでしょう。

日本人の宇宙飛行士である、毛利衛、向井千秋、若田光一、土井隆雄、野口聡一、星出彰彦という人々につづいて宇宙へ向かうことになった山崎直子さんは、その抱負を話す中で、小学校1、2年生の頃にテレビでやっていた「宇宙戦艦ヤマト」を見て、宇宙への夢を持ったと語っていました。実は彼女の前に宇宙へ行った星出彰彦さんも、「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」に刺激されて、いつか宇宙へ行こうと夢を抱くようになったと語っていました。

もうご存知かと思いますが、私は宇宙飛行士たちが、夢を羽ばたかせた二つの作品の、メインライターとして、かかわっていたこと思って、大変嬉しくなりました。私にとっても青春時代にエネルギーをつぎ込んでいた作品だけに、その思いがいつの間にか、低年齢層の視聴者たちの心の内に、夢を与えつづけることができたのだと思うと、作家冥利に尽きるなと思います。

彼ら宇宙飛行士たちが、少なくとも放送されていたアニメーション作品で、いい夢を見ていてくれたのだということが判りました。たかがアニメーションされどアニメーションの感を、改めて感じました。小さな頃見たアニメーションが、こういう影響を及ぼして、結果的にお二人を宇宙飛行士へと向かわせたのですから・・・。

そこで思うのですが、最近のアニメーションはどうなのでしょう。将来の夢となるような作品が放送されているのでしょうか 。いささか心配になってきます。

昨今のアニメーションは、いささか現実的すぎて、夢が広がっていくような、スケールの大きい、広がりのある作品が、ほとんど姿を消してしまっているのではないだろうか・・・。

私もどちらかというと、現実的なぴりぴりとした作品よりも、むしろ思い切り夢を広げた、ファンタジックな作品が好きでしたから、そんな作品を沢山書きました。

もし書くのであれば、現実的な話は小説で、アニメーションでは、夢の溢れた作品にしたいという気持ちで下が、昨今はアニメーションが、子供の者から大人の・・・その中でも、オタクといわれる人たちに奪われてしまっているのは、残念でなりません 。是非、いつまでも心に残って、目標に向かう憧れとなって子供の心に根付いていってくれる作品を作ってほしいものです。

今は、そんな後輩が現われてくれるように、学生たちに基本提起な知識を、一生懸命に植え付けて行こうと努めているのですが、どうでしょうね。楽しみでもあり、不安でもあります。

今回は宇宙飛行士のインタービュウから、図らずも私が書いてきた網メーション作品の名が飛び出してきましたので、それにかかわる話にいたしました☆