観る世界 Faile(30)「ヤマト、ある日突然」

思いがけないことというものは、ある日突然やってくるものです。かつてわたしが赤坂一ツ木通りにあった、マンション風のアパートにいたことがあります。

その通りの入口のビルの二階にあった喫茶店は、テレビの打ち合わせに来たプロデゥサーとの打ち合わせに、よく使ったことを思い出します。もちろん、その頃のビルはすべて新しくなってしまいましたから、当時のままというわけではありません。その威嚇にあったアパートも、ついに取り壊されてしまって、今は空き地に駐車場が出来てしまいました。

想い出になるところが、どんどんなくなって行きます。

わたしの新人時代を記す場所がなくなってしまうということは、何か根っこを抜かれてしまうような無念な者があります。 しかし時代の変化についていかなくてはならないので、止むを得ないことかもしれませんね。

ところがごく最近、この一ツ木通りの一本手前の通りで、思いがけなし想い出を発見してしまいました。

ただしその通りへは暫く行かなかっただけで、つい最近通りかかっただけなのですが、そこには当時の思い出をよみがえらせてくれる想い出の喫茶店が残っていました。

まさに「宇宙戦艦ヤマト」の原点といってもいいところです。 ここで日本テレビの番組であった「サンダーマスク」の打ち合わせをしていた時のことです。突然現れて、あとでお話したいと言ってきた男性がいたのです。

まさに、ある日突然という状態でした。

この男性こそが、あの「ヤマト」のプロデゥサーのNだったのです。

もちろんこの時の依頼は、特撮番組の企画を頼みたいということだったのです。その後、いろいろと紆余曲折があって、歴史的なアニメ番組の「宇宙戦艦ヤマト」は誕生したのです。

まさにここが、「ヤマト」の出発点であったといってもいいと思います。

言うまでもなく「宇宙戦艦ヤマト」は、日本のアニメ史上、絶対に見逃すことの出来ない作品であることですが、この作品が誕生するきっかけになったことについては、ほとんど知られていないとおもうので、この際公開しておくことにしたわけです.

丁度このビルは住居もあるので、簡単に取り壊されなかったのが幸いだったのでしょう。

わたし自身がすっかり忘れていた記念すべき喫茶店。それが、写真にある「ルノアール」という店でした☆

よく使った喫茶店跡の写真
末広荘跡の写真
ヤマト想い出の喫茶店の写真