観る世界 Faile(39)「展覧会について」

東京ではいろいろなところで、さまざまな展覧会が開かれていますが、所謂芸術、伝統文化作品などの展示もかなり盛んで、ちょっと見ておくには、大変便利なことがあります。

洋画関係のものなどは、そう簡単に現物を見に行くことは出来ませんから、そのごく一部でも見られるということは、大変有難いことなのですが、日本の歴史文化を代表する作品の場合はどうでしょうか。ちょっと出かけて行けば、それが存在している、現地にも行って見ることが出来ます。

しかし都会の人は、そうした文化財を簡略した形で、ある時代の代表的な芸術、文化作品を見て受け止めていることが多いと思います。その作品がどんなところに保存されているのかということは、ほとんど関心を持たれないまま終わってしまうのです。しかし本当はその作品が、どうしてそこに存在しているのかということも知らないと、その作品の存在している意味を理解することがないのではないかと思うのです。

私もこうした集約的に見られる展覧会には、よく出かけるのですが、次第にそれが存在しているところへ実際に行って見たいという欲求に駆られます。全国に散っている文化財をくまなく点検しに行くなどということは、なかなか出来ることではありませんが、日本を代表するようなものというと、おおむね近畿地方に多いようですから、できれば余暇を利用してお出かけになっては如何でしょうか。特に若いうちは体力もありますから、外国へ行ってみるのもいいでしょう。しかし高齢に達して、遠出が面倒になってきましたら、国内で歴史、文化、芸術を現地で鑑賞する楽しみを持っては如何でしょうか。

都会での集約された展覧会を見ているうちに、何時かこんな感想を持つようになって来ました☆