観る世界 Faile(48)「誕生日の月食」

私が、月をこよなく愛しているということは、かねてからたびたび触れて来たことですが、昨年のことになりますが、今年の6月16日に月食が起こるということが発表になりました。

どうしてこんなことを敢えて書くことにしたのかといいますと、実は6月16日は私の誕生日なのです。しかも昨年秋に、月を巡る歴史ドキュメントをまとめて、「月の都、京都」(平安京をめぐる旅)という本を出版いたしました。平安京は月の美しい都として、意図的に作られていった都だったのだということを解き明かしていったのです。

余談になりますが、昨今、この本を持って、史跡を訪ねていらっしゃる、さまざまなグループがあるという情報が飛び込んできています。

本の出版と同時に神戸の湊川神社で開催された、十三夜の観月祭へ招かれて講演もいたしました。

嬉しい知らせのつづきですが、そんな中で今年は大学が主催する「京の美意識」という市民講座で、「月の都、京都を探検する」という講演をすることになりました。

あれやこれやと月にまつわることがつづいているのですが、そんなところで、今年は6月16日に月食が起こりますという報道があったのです。

この時わたしは直ぐに、月を素材にして、さまざまな思いを書いてきたことがあったので、きっと月が私の努力を認めてくれて、バースディプレゼントをしてくれるのだなと思いましたし、講演の中で、そんなことに触れたことがありました。

日常、あまり夜空を見上げることはなくなっていると思うのですが、どうか機会がありましたら、6月16日には、夜空を見あげて月と対面してみて下さい。