観る世界 Faile(50)「さよなら時代」

アニメーション番組には、「サザエサン」「ドラえもん」「アンパンマン」などという長期の番組はありますが、所謂ドラマ番組では、限られた番組だけが長命を保ってきました。ところが最近になって、その番組の終了というお知らせが次々と発表になってきました。

「三年B組金八先生」「水戸黄門」「渡る世間は鬼ばかり」(九月)というわけで、そんな中でも「水戸黄門」は、その主役をさまざまな人が演じながら、ついに終了ということになってしまいました。

特別に熱心な視聴者であったわけではないのですが、同業の人たちの中には、その単純な話の作りや、そこで扱われる人情劇、勧善懲悪のパターンに愛着があって、残念だという話が蔦らって来たりしています。

もう時代劇を楽しむ土壌が、ほとんど失われてしまったのでしょうか。

確かに、ある程度歴史の世界に対する知識を持っているか、実際にその影響を受けた古い土壌の中で生活したことがないと、時代劇で描かれていく話には、まったく気持ちがのってこないのではないでしょうか。

それに現代の実話主義という風潮があります。

娯楽作品においては、その殺陣でも、主役がバッタバッタと人を斬るなどという、殺伐とした殺陣を披露するような作品はありません。「水戸黄門」もそうですが、徒手空拳で戦うか、「暴れん坊将軍のように、主役は絶対に人を斬りません。必ず戦う前に刀のソリを返して、まともに切りませんよと、視聴者に判らせたうえで、斬ります。それで立ち回りを楽しんでもらったのですが、現代の風潮からすると、そうした活劇には興味が湧かなくなってしまったのでしょう。兎に角、リアルな殺陣のほうが迫力もあるし、現代の風潮にも応えることになるのです。

そうしたことの影響もあっての終了なのでしょうが、気楽に観て楽しめる番組が、姿を消していってしまうのは、大変残念でなりません。

一つの時代の終わりを感じていると懲りです☆