思う世界 Faile(25)「夢は語るだけでいいのか?」

昨今はパフォーマンス全盛のためか、放送局のインタービュウを受けても、まったくひるむこともなく、問いかけに答えている光景を見かけます。

恥ずかしがる様子もなく、まるで日常会話を交わすようなリラックスした様子で対話しています。

実に素晴らしいことだと思うのですが、そのうちに、ちょっと気になることが出てきました。

若い人が夢について語る時のことです。

もちろんまったく夢などはないと、しらけた返事をする者もいますが、まぁ、質問者の要求に従って、素直に応える者もいます。

1人が口火をきると、勇気づけられるのか、次々と夢について語ります。

しかし・・・。

問題なのはそれから後なのです。

その夢を実現するために、どのような努力をしているのだろうかという質問には、ほとんどまともな返答がありません。

はじめから自分が思い描いている夢は、実現困難なので諦めているというのです。

確かに夢というものは、とてつもなく大きいか、はっきりとした見通しのきかない、得体のしないものかもしれません。

それでいいと思うのです。

しかし、だからはじめから諦めてしまっていては、何にもなりません。

せめてその夢を実現するために、葛藤して貰いたいし、苦闘して貰いたいのです。

きっとその過程では、辛いこと、悔しいこと、苦しいこと、悲しいこと、腹立たしいこと、そしてとても楽しいこと、嬉しいこともあるに違いないのです。

若い人が、夢を見るだけで、それを実現するために、必死で努力することを放棄してしまったとしたら、まったく意味がありません。

何とかして思い描いた夢を具現するために、葛藤することに意味があるのです。いろいろな思いを体験していくことに意味があるのです。

楽しいことばかりでなく、辛いこと、悔しいこと、腹立たしいことなどを、味わいながら、それでも夢に一歩でも近づこうとして行くことに、意味があるのです。

昨今は、夢見たことは、直ぐに叶えて貰いたいと思っている人が多いのではないでしょうか。

それだからこそ、夢について語るだけ語るけれども、ちょっと難しそうなので、さっさと諦めてしまっているんです。

夢は駆るだけでいいのかということを、改めて訴えたいと思います。

何とか努力して、それを現実のものとするために、苦闘するところに意味があるのです。

最近宇宙へ飛び立った宇宙飛行士、これから飛び立とうとしている宇宙飛行士たちは、ほとんど少年、少女の時に見たテレビ番組の「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」の影響を受けて、将来宇宙へ行きたいという夢を見たのです。そしてその夢を実現するために、その後努力を積み重ねてきたのです。

語るだけで終わっていたら、今日の栄誉は得られなかったでしょう。

夢の実現ということでも、彼らは諦めずに、必死でそれを追って来たからこそ、手にすることができたはずです。

夢は駆るだけで終わっては駄目です。そんなことなら誰でもできます。しかし私は、是非若い人にお願いしたいと思います。 夢は手に入れようとして、真剣に追いかけて欲しいのです。

もし、最終的にそれが叶わなかったとしても、その過程で体験したさまざまなことは、きっとその人の人生を、豊かにしてくれるに違いありません

春を間近にして、新たに旅立つ人も多いと思うので、そんな

人たちに、是非、話しておきたかったのです。

どうか、夢は語るだけで終わらずに、追いかけて下さい☆