思う世界 Faile(37)「父よ」

昨今、俄かに父に会いたくなることがあります。

どうしてと聞かれても、答えようがありません。

兎に角会いたいのです。

逢って、あれやこれやについて、いろいろと話をしたいのです。

わたしが年を取ったこともあるかもしれませんが、同じような資質を持っていたためか、若い時にぶつかってしまったりした苦い経験を持っているのですが、そんなことも懐かしい思い出で、その時のことなどをいろいろと話したいと思うのです。

あの時の父の思いも聴きたいし、私の思いも知って貰いたい。そんな気持ち以上に、最近は父の貯め込んでいた知恵について、少しでも近付きたしという気持ちが強くなってきているのです。

実にいろいろな世界に関しての知識の豊富だった父で、私はとても追いつきません。あの人から、もっと、来ておけばよかったことが、あまりにも多いことに気がつきました。

昔からよく言われる言葉に、逢いたい時に親はなしということがありますが、正に今の私がそうです。

昨今、親を無視して飛び跳ねている人が多いようですが、彼らm、おいつか親と逢って、じっくり話がしたいと思う時がやって来るのだろうかと思ったりもするのです。

かつてちちが亡くなった時に出来あがった本を棺の中へ収めたことがありましたが、いつかその読後感でも聴きながら、また激しいやり取りでもしたいものです。

次第にじっくりと話をする相手がいなくなっていく中で、ふと父が恋しくなっている私です☆