思う世界 Faile(40) 「ヴェネチア考」

最近イタリアの水の都として名高いヴェネチアのドキュメントが放送されました。大変美しい町の風景に、改めて魅力を感じました。

ゴンドラに乗って運河を辿る光景は、実に風情のある町の光景で魅力的な町だなとつくづく思ったのですが、しかしその感動もそう長くはつづきませんでした。

やがてこの美しい町の風景は、消え去ることになるという問題を思い出したからです。つまり水没すると言われています。

今、わたしたちの感じている水の都ヴェネチアは、所謂、滅びの美学を感じるからなのではないだろうか・・・。そのために観光客が次々とやってくるのではないだろうかと考えたりしたのです。まだ陸地と水のバランスガ取れた、真に水の都としての美しい都であった時代は、遠い昔のことで、そのままの状態で留まっていたら、何ら問題はなかったのですが、現在ヴェネチアが抱えている問題を考えると、とてものんびりとした気分にはなれないものがあります。

まさに現在は滅んで行く美の風景としか言いようがありません。

さまざまな商店が水浸しになって、それを店内から排除している光景を見ていると、その最後の時が刻々と迫って来ているのを感じてしまいます。かつて滅んで行く美しさを讃えた時代がありました。しかし地球の温暖化という問題と直面している現代です。水の都が水没していくという現実を、ただ美しいと言って見つめていることは出来ないのではないでしょうか。ヴェネチアの抱える問題は、いつか自分たちの問題になって来るのではないでしょうか。何とか今以上に問題が大きくならないようにならないかと思うのだが・・・☆