思う世界 Faile(47)「魂の行方」

人の気持ちはどうであろうと、時代のながれと言うものは、どんどん先へと流れていってしまいます。

昨今の人の死ということを考えた時、その魂を神仏のもとへ送ってくれるのは、誰なのだろうかと考えてしまいます。

古来、日本では僧呂が引導を渡すことが決まりになっていました 。ところが昨今は、ちょっと事情が違ってきますた。

さまざまなライフスタイルが違って来たためですが、自宅で亡くなり、自宅から葬儀をして送り出すということはほとんどなくなり、多くの場合は病院で亡くなり、葬儀は公共施設で行うということが多くなりました。

そんな様子を見ているうちに、ふと思い出すことがありました。 かつて産業革命が起こったころのことですが、新しい思潮がイギリスからふぇランスへと波及してきて、病に倒れたものはみな病院へ送られ、そこで医師によって生死が判定させるようになったのです。それまでは間違いなく、そうしたこと・・・つまり亡くなった方の魂を天国へ送る方は、牧師に決まっていたはずです。

ところが、新しい時代の流れでは、牧師よりも医師によって魂は天国へ行くのを先刻される時代になってしまったのでした。その頃まで世界的な大ベストセラーと言われた聖書が、まったく売れなくもなってしまったのです。

それから間もなく、フランス革命が起こって行きました。

時代が大きく変わっていく過渡期の現象かもしれませんが、昨今の日本の状態を見ていると、どうも同じように、魂の行方を決めるのは、僧侶ではなく医師に委ねられるようになってきているのではないのだろうかと思ったりしているのです。

日本も家で死ぬよりも病院で死ぬケースが増えていて、引導を渡すのは、僧侶ではなくなりつつあるのを感じて、魂の行方について考えたお話でした☆