思う世界 Faile(48)「上は向かない」

東日本の大災害が起こって、報道を見る度に自然災害の巨大な力というものを思い知らされますが、それと同時に原発事故には、あまりにも楽観的な姿勢で、安全神話を語り過ぎてしまった恐怖を思い知らされてしまいました。

一刻も早くどん底から立ち上がって、前進できるようになって欲しいと思うのですが、震災が起こった時から俄かに「上を向いて歩こう」がとり上げられて歌われました。

その頃は改めていい歌だと思ったのですが、最近はちょっと気持が変わってきました。

わたしは「上を向いて歩こう」という歌を、東日本災害にあった人に贈る歌としては、あまりにも悲しすぎると思い出したのです。 わたしは上を向いて歩く時は、何か心につかえるものがあって、辛くなるんです。

涙がこみ上げてきてたまらなくなるんです。

もう、あの歌を被害にあった人たちの前で歌うことは止めたいと思うようになりました。

あの人たちに、悲しい出来事を思い出させるだけです。 ああいった思い出に浸る時が来たら、思いきりみんなで歌うといい。しかし今は、もう止めましょう。

それよりも、前へ、前へと進めるように、元気が出る歌にしましょう。

そんな気分にぴったりな現代の歌が出て来ないでしょうか。 これからは前を向いて歩きましょう。

そんな歌があるといいですね。

やはり上を向いて歩くというのは、思い溢れた時に歌う歌です。 みな必死で立ち上がろうとしていらっしゃいます。そんな彼らに悲しみを超えて、頑張ろうという歌が誕生して欲しいと思う今日この頃です☆