知る世界 「桂川日記」(23)「こだわり」

大学の教え子から、大学前の桂川沿いの道路が、観光のための自動車のラッシュで、動きが取れないというメールをもらいました。まさに今は観光シーズンの真っただ中のようです。近々授業があるので、その光景を目撃することになると思うのですが、これからさらに十二月の半ばまでは、その混乱がつづくようです 。

地元の人に言わせると、大体、あのような渋滞を引き起こす自動車の持ち主は、ほとんど外部の人で、あのようなラッシュを知らないか、行った先でも、紅葉の名所といわれるところまでは、自動車では行けないようで、一体、どのようにして見物するのだろうかと、疑問視する人が多いのですが、毎年、この季節がくると、同じような大混雑風景を展開するようです。

町の中でも、主力の交通機関であるバスが、ほとんど正常に動かないという状態で、いささか唸ってしまいます。

私は通常、町の風景を眺めながら、京都駅からバスで大学へ移動することが多いのですが、この観光シーズンの混雑には、いささか辟易してしまいます。

日本人、外国人、修学旅行の人々で、ゆっくりと鑑賞を楽しむということはできません。それに第一、ホテルが取れなくなってしまいまうので、予約をするのに苦労してしまうのです。一か所に固定できずに、点々としてしまいます。それでも最近は、それも京の楽しみ方だと思って、割り切るようにしてはいるのですが・・・。

京都へ通うようになってから、授業のない日は、なるべくいろいろなところへ探索に出かけることにしているのですが、まだまだ京都を知ったとは言えません。歴史の裏付けがあるためでしょう。あまりにも史跡は多くて周り切れていませんし、まして観光施設は、シーズンともなると、とてものんびりとは回っていることができません。主だった道路は渋滞して、動きが取れないということもしばしばです。

そんなわけで、春、秋の、所謂観光シーズン中を、どう使って京都を知るため時間を使おうかと考えたのですが、いっそのことそういった混雑する観光地を極力避けて、地道な探索をしてみようかと考えるようになったのです。つまり史跡とは違った、町屋の風景を見て歩こうかと思ったのです。しかしそれも、ただ漠然と歩き回るなどということでは、とてもまとまった収穫を期待することは出来ないでしょう。そこでふと思いついたのが、創業以来、延々とその姿を守って店を維持している商家・・・特に京都では、その幾多の歴史的の波をくぐり抜けて生き残りつづけた 、こだわりのある、考えようによっては、頑固にその商いを貫き、こだわりつづけている店を見て歩こうという考えです。

まぁ、あまり堅苦しくならずに、気楽なぶらり旅をする中で、ちょっと気になった老舗や、京らしいこだわりのある店の写真を撮ったりしてみようという訳です。

大道路とは限らずに、横丁を歩いていると、こんなところに、よくこんな店が存在しつづけているものだなという、発見をするものです。老舗でなくても、京都らしい趣を持った店も、かなりあります。いかにも古都京都、雅の京都、粋な京都、こだわりの京都、歴史の京都などなど、如何にも京都らしい風景を探し出して紹介していってみようと思っています。

果たしてどれだけ目的が達せられるか判りませんが、まぁ、あまり気張らずに、行ける時に行ってみようと思っているのです 。従って、こんな街へ行ってみようとか、こんな店のところへ行こうとかというような計画もありません。行きあたりばったりの計画で、その時の気が向いたところへ出かけてみようということにしました。

気まぐれな京都探訪です。つまり観光シーズンを無視して楽しむ、京都探訪とでも言えるものです。今回はその一部なのですが、どんなものでしょうかね☆

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