知る世界 「桂川日記」(27)「京都駅の楽しみ」

今年もまた新学期が始まるのと同時に、京都通いも始まります。

通常、品川駅から新幹線へ乗って、京都駅で降りるわけですから、いつの間にか愛着が湧いてくるものです。

新しくなった京都駅は、一度でも行かれた方はご存知かとは思うのですが、まだという人のために、ちょっと解説しておきましょう。

京都駅というのは、平安時代の洛中と洛外・・・別の表現の仕方をすると、市中と市外の境界に作られた駅で、平安京があった頃は、このあたりに羅城門があって、その左右には外界から妖魔が入り込まないようにということで、密教の寺である東寺と西寺が置かれていたことでも知られているところです。

戦国時代などは、豊臣秀吉が建設したという、京都を外敵から守るために、土を盛って作られた境界線があったところでもあるわけです。

とにかくこの京都駅は、すっかり新しくなっていて、この駅を境にして、古都京都の地区と新開地とを分ける地域になっているようにも思えます。

古都京都というイメージとは違った、超近代的な建物になっています。たかが駅されど駅とでも言える建築物でしょう。SFの世界のメガロポリスを思わせるそれで、見上げると、思わず目まいを起こしそうにもなる、巨大な建物なのです。しかもこの京都駅は、ただ大きいというだけでなく、いろいろな使命を担って作られているようにも思えるのです。

ホテルをはじめ劇場、デパート、飲食街、土産物店、書店、観光案内所、所謂駅ビルの機能を充分すぎるほど持っているところなのですが、とにかくここで結構楽しめるということなのです 。

まだ私はそのごく一部しか楽しんではいませんが、その一つがかなり高く伸びた建物のあるところに作られた、ステージがあるのですが、ここでは季節に沿って、さまざまなイベントが企画されています。

そんな中で楽しめるものは、音楽関係の催しものでしょう。 これまで何度も出会いましたが、中学、高校、大学の吹奏楽団が、競ってここで演奏をして、集まって来た人々を楽しませていることです。

私はここで、何度もテレビで書いてきた作品のテーマ音楽が演奏されるのを聴いたことがあります。

ステージを前にして、広い階段がそのまま上へ伸びた観覧席になっていて、いつでも観客でいっぱいになっています。

学生たちにしても、研鑽の結果を発表する機会になるので、大いに役立っているのではないでしょうか。

これも設計者の計算の内に入っていたことのようで、古都の寺社を中心にした歴史世界である市内にはない、エンターテイメントの拠点にしてあるように思えます。

京都駅というのは、さまざまな機能を併せ持った、多機能ビルなのだと思うようになっています。

私はこの超近代的なビルを抜けて、古都京都のど真ん中へ入っていくのです。

また今年も、どんなめぐり会いがあるか、密かな楽しみにして行こうと思っているところですが・・・☆

京都駅正面の写真
京都駅構内の写真
京都駅イベント・中学校吹奏楽団の写真