知る世界 「桂川日記」(43)「銀閣寺略記」

今は観光シーズンたけなわということもあって、有名な寺社はどこも大変な賑わいです。 そんな中でも1、2を争う人気の寺社といえば、金閣、銀閣寺でしょう。

その中でも特に関心を集めているのは、象徴的な建物である観音堂の修復を終えた銀閣寺でしょう。

しかしこれから銀閣寺をお尋ねになられる方に、是非お勧めしたいのは、観音堂を楽しんだ後は、そのお隣に鎮座している八幡神社に注目して頂きたいのです。

寺院に神社とは解せないと思われる方が多いと思いますが、わたしは秋に出版した「幻視行 月の都、京都」(平安京をめぐる旅)で詳しく書いたのですが、この八幡さまは、もともと八幡大菩薩と神号を唱える大菩薩だったということなのです。

これなら寺院に逢ってもまったく違和感はありませんが、それがどうして八幡神社と表示されているのかというと、明治時代に出された「神仏分離令」という政令の影響によるものなのです。とにかく極端に神を擁護する勢力によって主導されたと言われていますが、そのために菩薩ではなく神として祀らなくてはならなくなってしまったという訳です。

実際に銀閣寺の観音堂の脇の八幡神社には、「この神社は銀閣寺の守護神です」と書かれた高札が出ています。

あまり観光客には関心のない話し賀茂しれませんが、こうした一寸したところに目を止めると、新たな観光のきっかけになるかも知れませんよ☆

銀閣寺の眺望の写真
銀閣寺八幡神社の写真