知る世界 「旅雑記」(31)「八幡神宮の謎」

わりに地味なのですが、数だけは圧倒的にある神社の一つに、八幡神社というものがあります。有名なところと言えば、九州の宇佐八幡、京都の石清水八幡、鎌倉の鶴岡八幡などというものがありますが、とにかく調べたところその数は、四万社を超えるとも言われているのですが、この神様は、ちょっと日本古来の神様たちとは様子の違うところがあるとは思いませんか。一応「楽しむ世界」も一緒に呼んで頂きたいのですが、この神様も、一応日本古来の神様だと言われているのですが、どうも様子の違うところがあるのです。そのきっかけを作ったのは、明治時代に行われた、廃仏稀釈という命令です。江戸時代の国学者であった、平田篤胤が提唱した日本神道を徹底するということで、仏教を排除しようとしました。そのために京都などの大きな寺は別として、ほとんどの寺では、仏像、仏具を破棄しなくてはならなくなってしまったのです。中には、釣鐘に至るまで処理されてしまったのです。

異国の神である仏教を、排除しようとした動きだと思うのですが、こういうことが行われて行くうちに、日本は危うい方向へと突き進んでいってしまいました。

そうした動きのために、この八幡神も、ちょっとおかしな扱いをされてしまいました。どうもこれは、異国から入って来た神だったからです。ということは、仏教の神だったからではないだろうか。日本では古代から為政者は日輪を信仰していましたが、この八幡神の祭神は月なのです。そう言えば菩薩の光背は月ですね

昔、武士たちが神に祈る時、「南無八幡大菩薩」と唱えて、斬ったり、射ったり、戦いに向かいましたが、大菩薩ということが最後についています。これは明らかに仏教の仏であることの証です。つまり日本の神ではないということにもなるのです。そんなことがあるので、明治政府は八幡神の神号を唱えてはならないという命令も発しました。

京都のお寺には、同じ境内に、八幡神社を作ってあるところが多いのですが、平安京が出来た頃、この八幡神を持ち込んだ、秦河勝が貢献したことに寄るのではないかと思います。

もし機会がありましたら、是非、そんなことにも興味を持って観光に行かれるといいと思います。ここに挙げた写真は、わたしが取材に行って撮ってきたもので、特に京都にある目立ったものばかりです。念のため☆

石清水八幡宮の写真
石清水八幡宮灯篭の写真
東寺八幡神社の写真
平野神社八幡宮の写真