知る世界 「旅雑記(37)「祇園祭余話」

間もなくやって来る京都の年中行事で、全国的に人気のあるものです。

その鉾の巡行風景はテレビでもよく中継されますから、ほとんどご存知のない方はいらっしゃらないと思いますが、この祇園祭りの正式な名称については、あまりご存知ない方が多いのではないでしょうか。 正式には、「御霊会祇園祭」というのです。

つまり怨霊の霊を鎮め、彼らが市民に禍をもたらすと言われる疫病などを防ぐための祭なのです。

かつて古代においては、あの鉾の数は日本にあった国の数だけ出たということですが、京都の市民に関しては、鉾の巡行が終わった後、八坂神社の本殿の下にある龍穴から素戔鳴尊の霊を頂いた神輿が出て、市内を巡るのです。

京都の町をあるいていますと、「御旅所」という石碑が建てられているのに気がつくのですが、これは一体何なのでしょうか。あまりご存知ない方も多いのではないでしょうか。中には神輿の休憩所、お祭りの関係者の休憩所ではないかと思われるかも知れませんが、実はそんなものではないのです。

そこに町を巡行した神輿が、暫くそこにあることで、素戔鳴尊の霊力を留めて行くのです。

今回は祇園の八坂神社の御旅所ですが、京都の大きな祭の一つである松尾大社の祭における「御旅所」もあちこちにあるのです。

京都の町を散策される時には、そんなことをお考えになりながら歩かれると、興味深くなりますよ☆

大政所御旅所高札の写真
大政所御旅所の写真
祇園御旅所碑の写真
祇園御旅所の写真