知る世界 「旅雑記」(50)「北座と南座」
長いこと都であり、さまざまな歴史を積み重ねてきただけあって、京都はちょっと歩いているだけでも、さまざまな史跡に出会います。もちろんただの観光客には、ほとんどその目には入らないでしょうが、ちょっとその気になると、思いがけないものが飛び込んできます。
今回、紹介しようとするところも、その一つです。
恐らく、四条河原町を八坂神社へ向かって歩いていると、京都南座が目に入ってきます。歌舞伎が中心ですが、それがない時は、演歌歌手による歌と芝居をかけていますが。毎年暮れになるとテレビのニュースで歳末風景として紹介されるお正月興行に出演する俳優の大看板が劇場の入り口の上に飾りつけられます。「まねき」と言われるものです。
これが出されるようになると、ああ、いよいよ年末が来たのだなと思うものです。
そんなことを思いながら、南座を過ぎてしまうのが常なのですが、ある日ちょっと歩くところを変えてみようと、南座の前の道へ入ったところ、思いがけない石碑を見つけました。
そこに「北座」があったと書かれているではありませんか。 「南座」に対して、「北座」が存在していたのです。
普段はそこにビルが建っていてその屋上に「北座」と記されていても、ただ単にそこにある店の名ではないかと思って、それほど関心もなく行き過ぎてしまうのですが、気まぐれを起こしてその前まで行って、初めてそこに「北座」という劇場があったのだということを発見したのでした。
たまには気まぐれを起こしてみるのもいいことだと思ったmのです。そんなところがあちこちにあります。時間があったら、是非、隠れた歴史の遺跡を発見していきましょう。
京都は、そんな宝探しに向いたところですよ☆