楽しむ世界 Faile 15 「ひとくち古代史考」(花郎)

最近の話題の一つに挙げられることと言えば、イケメンなどという青年の中の優男で、見栄えの男を持て囃す風潮があります。もう何年も前から、圧倒的に女性の勢いが強くなり、その分男性が中性化してきていて、かつてのいかつい男性が減ってきました。これは多くの場合、男性の力が必要な、戦争がなくて平穏である時代がつづいている時代が、長くなっている特徴なのかもしれません。いつの時代でも、いるにはいたと思うのですが、たとえば戦争中であったら、とても注目されないタイプだと思うのですが、とにかく男性も、女性も、その時代の雰囲気によって、その憧れの対象となるタイプは、大きく変わっていくもののようです。それが現代のように、平穏無事で、経済的にも、ある程度安定している時代で、しかも女性がかなり主導権を持つ時代になると、男性もかなり優男が尊重されるようになるようです。

弥勒菩薩というものは、実に不可思議な魅力を持った仏像です。日本にも数体あるその半跏思惟像には、なぜか魔力があって、向き合うものを虜にしてしまいます。わたくしは京都広隆寺のそれを拝見しましたが、その前に置かれた長椅子には、熱心な方が座って、仏像と対面して見つめたまま動こうとしませんでした。

この弥勒信仰というのは、わが国では聖徳太子の時代に、朝鮮半島の新羅国あたりから入ってきた宗教で、釈尊の入寂後五十六億七千万年後に現世へ下生して、民を救済すると言われている未来仏です。

この弥勒菩薩を信仰する者の中に、「花郎(ふぁらん)」という集団がありました。ところがこの集団は、当時の貴族の青年たちで、それがすべて大変なイケメンであったと言われているのです。

何だか、現代にも登場してきそうな集団です。

ひょっとすると、イケメンの韓流スターに夢中になっている、ご婦人たちがいるという報道がもたらされていますが 、どうもこの韓流スターたちは、「花郎」の流れなのではないかと思ったりしているのですが・・・☆