楽しむ世界 Faile(32)「ひとくち古代史考」(荒魂、和魂)

人間にとって、神という存在は、あくまでも謎の存在で、目には見えないけれども、どこかに存在しているとも思えるし、そんなものは想像の世界にしか存在しないと思うかです。

「神様は何とひどいことをするのだろう」

「神様のお陰です」

目に見えない存在である、神というものは、人間にとって実に便利なものです。

その時、その時の事情によって、都合良く利用されることになります。それが人間であれば、とても穏やかでは済まされないはずです。

とにかく神様というのは、超自然の存在ですから、都合のいい扱われ方をしても、決して怒ったりもしません。しかしそんな神様であっても、そういつまでも人間のご都合で動いているわけにもいきません。

糺すべきものは、厳しく糺してくるはずです。

神は人間に清冽な生き方を求めてきます。そしてそれに背いて悪を働くような者に対しては、想像を超えた厳しい処置をして来るものです。

ほどほどにしてなどという、人間社会で行われる処置などは許されることはありません。

それだけに、厳しいなぁなどとこぼしたりするのですが、かみというものは、それだけ清冽な生き方を求めて来るものです。それを歪める者に対しては、たとえ如何に強力な者であっても、絶対に許してはおかない厳しさを発揮して打倒してしまうでしょう。

それが荒魂(あらみたま)というものです。それに対して人間には出来ないことでも、善良な者はその和魂(にぎみたま)によって、とても人間の力では果しえないことでもやり遂げて救ってくれるのです。

神にはそういった大変はっきりとした魂をお持ちなのです。 厳しくもなり、優しくもなります。

人間はそうした厳しい判断力を鏡だと思って、自らの言動の成否を図ってみなくてはなりません。

「神様は厳しいからな」とか「神様もいいとこあるよ」などと、自分の都合で評価などしては、そのうちドカーンと鉄槌が下されてしまうかもしれませんよ☆