楽しむ世界 Faile(33)「ひとくち古代史考」(素戔鳴尊)

古代史をやっていると、もっとも謎めいているのが素戔鳴尊という神様です。

「古事記」によると、天照大神、月読命、そして素戔鳴尊という三人が貴子と言われる存在なのですが、どうもこの素戔鳴尊だけは謎がつきまとってしまうようです。

いろいろと調べることがあって探ってみたところ、謎の男に相応しく、次々とその証拠が出てきました。

京都の祇園祭はよく知られた祭ですが、この祭神が素戔鳴尊であることは、ご存知でしょうか。そしてこの神社が、現在八坂神社とは言っていますが、元は祇園牛頭天王社と言っていたのですが、ご存知だったでしょうか。

一体、どうして素戔鳴尊は牛頭天王などという、不可思議な名称を持っているのでしょうね。

実は日本の歴史書と言われている「古事記」「日本書記」などを読むと、その中に素戔鳴尊が天上での天照大神を怒らせた乱暴事件があった後、彼は突然朝鮮半島の新羅へ降り立ったと書かれているのです。しかもその時に牛という文字に関係するところへ行っているのです。

その後彼は、ここにはいられないと言い残して、直ぐに船を作って、出雲へ立ち去るのですが、この辺がどうも説得力に欠けるのです。

素戔鳴尊がどうして突然新羅などへ降り立ったのでしょうか。まったく脈絡がありません。

牛頭天王というのは薬師如来だと言うこともいわれていて、疫病の阻止、怨霊を封じる威力があるとも言われているのですが、素戔鳴尊はその牛頭天であるということで、とにかく疫病の阻止、怨霊を鎮めるのに役立つと言われていることを考えると、もともと新羅の神であったのではないのだろうかという疑問が生まれてきてしまいます。

もし、時間があったら調べてみることをお勧めしたいと思います。 実は今年九月に出版する予定の、幻視行「月の都・京都」という本に、その謎に触れたことが書いてありますので、是非、目を通して頂けると有り難いのですが・・・。

歴史の謎を追跡していくということは、とても楽しいことでもありますね☆