楽しむ世界 FaileFaile(52)「ひとくち古代史」(遠流)

歴史物を観ていると、さまざまな理由で遠くへ追放されることになる時、遠流(おんる)という言葉が出てきます。ご存知でしょうが、菅原道実は政敵藤原時平と対立して、京都から九州の大宰府へ流され、小野篁は遣唐大使の横暴に対して、朝廷に抗議したために、京都から日本海の隠岐へ 流されたことで知られます。これらはまさに「遠流」です。

確かに遠いところへ流されるわけです。

それでは「中流」「近流」というものがあるのでしょうか。

たまたま小説を準備するために資料を調べていたところ、「延喜式」という平安時代の中期にまとめられたものの中の、刑についてのことが書かれたところに、流されるところが書かれていました。

「越前」「安芸」を「近流」。「信濃」「伊予」を「中流」。「伊豆」「安房」「常陸」「佐渡」「隠岐」「土佐」を「遠流」の地としていることが判りました。

歴史物を読む時の、参考になるのではないでしょうか☆