読む世界 Faile(21)「プロとアマの差」

最近は書店へ行ってびっくりするのは、何と大変な数の書籍があることか・・・。

私がせっせと小説を書いていた頃も、書籍が多くて選択に困るという話はよく聞きましたが、昨今の状態はちょっと様子が違うようです。

とにかく書くことを専門職にしていない人・・・つまりいわゆるアマチュアということですが、特に最近はお笑いタレントたちが次々と本を出版しています。

大変、出版は盛んであるかのように思えるのですが、果たして喜んでいいのかどうか、ちょっと複雑な気持ちでいるのです。 アマチュアの勢いに対して、プロの活動が鈍くなってしまっているからです。

決してアマチュアの登場を問題視しているわけではないのですが、残念ながらアマチュアには、持続力がないということです。昔から言われていたことなのですが、アマチュアは生涯で一作はいいものを書くということです。つまり一作は書くけれども、持続性がないということなのです。

実はプロとアマの差というものは、この持続性の差なのだということだったんです。

これが問題であるということは、現在の出版界の賑わいというものが、とにかくつぎつぎとアマチュアが書きたいものを書いて出版しているという状態なのだけれども、その後この人たちが持続していいものを発表しているのかというと、どうもその気配が感じられません。とにかく一冊出すだけです。しかもそうした傾向を改良するために、出版界が有効な手を打っているのだろうかと、どうもそうとは言えないのではないでしょうか。一時的に、アマチュアの勢いを利用して、出版不況を乗り越えてしまえばいいとでも思っているようにしか思えません。

アマチュアでも、いったんデビュウした有能な芽は、大事に育てていこうという努力が行われているのかと言うと、どうもそのようには思えません。とにかく一作でも売れればいい。駄目ならさっさと別の者に変えればいいという空気になってしまっているのではないだろうか。これでは出版不調をやり過ごすために、アマチュアの勢いを利用しているだけになってしまいます。こんな状態になるのも、実はプロ作家に勢いがなくなってしまっているという現状があるからです。かねてから時代の空気としては、「実話」の時代ということで、いわゆるフィクションには興味を示さなくなってしまったということもあるでしょう。しかしそれ以上に、プロの仕事に問題があるということにもなるのです。

いろいろな意味で、現代人の気持ちを捕まえることができなくなっているのです。小説という形の表現も、考えなくてはならないかもしれません。昨今は携帯小説にまで発展して行ってしまっているので、特に若者たちは、かつて小説と言っていた形式などは、飛び越えて行ってしまったようです。しかし次から次と飛び出してくる新人たちが、果たしてこれからどれだけ残って書きつづけるでしょうか・・・。一作だけ出版出来ればそれでいいやなどということ言っていては、とても出版界の危機を救うことはできないでしょう。

やはりアマチュアで終わっている限り、その時の賑やかしで終ってしまいます。

やはりプロたるものは、どんな状況でも、書きつづけるということが大事なんことです。やはりプロとアマとの間には、厳然とした境界線があるのです。アマ作家も、ただの賑やかしで終わらないことを祈るのみです。

私もしばらく休息の時をとりましたが、ぼちぼち作業を始めようと思い始めているのですが・・・☆