読む世界 Faile(36)「電子ブックについて」

IT関係の進化は激しいものがありますね。

昨今はアップル社が、次々と新製品を送り出してきて、大衆の人気を得ているようです。ごく最近ではアイフォン、アイパッドというIT端末機があいついで発売されて、大変な評判になっています。

技術の進化ということには、ただただ目を見張るばかりですが、これには時代についていかなくてはならないという思いから、シニアにも関心を寄せる人もかなりいるようです。

確かにインフォメーションには最適ですし、伝達という機能ということでは実に素晴らしいものだと思いました。ところがテレビなどで盛んにアピールされたのは、その中に含まれた電子ブックというものについてでした。これからはこんなに便利に本が読めるというものでしたが、果して読書がそのような形に変化していくのだろうかと、考えてしまいました。

必要があって一寸読んでみるとか、確認するといいった、極めて事務的な利便性だけでいうなら、大いにそれもいいなと思うのですが、いわゆる読書を楽しむ人々、独唱楽しんで頂きたい人々には、とてもお勧めできないように思うのです。

その最大の問題は、作家の呼吸、息遣いというものが伝わってはこないということです。

その作品を書くために注いだ思いというものの肌触りが伝わらないのではないかと思うのです。

昨今は大量の書籍を置いておく余裕がなくなってしまったということも聞かされることですが、本に囲まれていると落ち着くという人もかなりいますし、男性で書斎が欲しいという人が沢山います。その大きな理由は、そうした中にいると落ちつくということであり、沢山の作家の息遣いと共にいることで、落ち着けるという楽しみが味わえるからではないでしょうか。

時代の進化によって、便利にはなるけれども、一方で人間の肌触りがどんどん消え去っていくということは、残念で仕方がありません☆