読む世界 Faile(38)「携帯小説作家誕生」

話題としては知っているのですが、携帯小説というものが若い人たちの間で読まれているということです。活字を読むという形が大きく変化してきているのでしょう。若者にとっては、まるで情報を得るような気楽さで、書き手の送り出す話を読むのでしょう。

私は実際にそれを読んだことはないのですが、評判になればコミックは勿論のこと紙の小説、ドラマ化と、かなり広がりのある展開があるようなのを、噂では知っていたのですが、つい最近のことその携帯小説の書き手で、大ヒットを飛ばした女性と出会うことになりました。

もう大分前から、私の送り出した映像、小説作品のファンであったということで、知人の紹介で対面したのですが、密かに狙いつづけて夢を叶えた訳ですから、ただただ感心したり、驚いたりするばかりでした。

かつてファンであった人が、時代の流れに乗ってその第一線へ飛び出して来た訳で、携帯小説というものについて探ってみることよりも、そうした新たなジャンルに乗って飛び出してきたということで、時代の差と言うものを感じてしまったわけです。

携帯小説がどんなものかは、ほとんど知らないのですが、その人は出版社へ呼ばれて、コミック、小説、ドラマ化への打ち合わせを行ったということでしたが、さまざまなジャンルの担当者から、携帯小説というものの置かれている位置を知らされて、更なる努力を促されたようです。勢いづいていた彼女の鼻っ柱はへし折られてしまったようですが、彼女は更に闘志を燃やして戻って来たようでいた。まぁ、作家としての真の勝負はこれからということになるでしょう。

それで挫折するようでは、とても将来の飛躍は望めません。どの世界でも時代と共に進化していくものはあるのですが、伝統的に積み上げられてきているものも、かなり沢山あるものです。

同じジャンルではあっても、携帯小説というものは根の浅い新参者でしょう。永年時間を懸けて根を張っている盤石の存在感を誇る本来の小説というものがあるということを知って、これから彼女はどう変化していけるか、大いに関心を持って見詰めていってみようという気持ちになったのでした。☆