読む世界 Faile(45)「再び、始動」

昨年は、これまで探索したことをまとめて「月の都、京都」(平安京をめぐる旅)(淡交社刊)を執筆しました。毎年、月の季節がやって来る度に、思い出して頂ける本になったと思います 。

これは京都嵯峨藝術大学で、教鞭をとるようになったことの四年年間の蓄積を一冊の本にまとめたもので、かつて書いてきたものとは、まるで変わったものなんで戸惑った人も多いかと思いますが、いいものが書けたと思っています。ところがつい最近のことですが、旧友である作家の豊田有恒さんと、漫画家の松本零士のパーテイでお逢いしましたが、その時彼から、ある本を送って下さるというお話がありました。

実は豊田氏もつい最近まで、山陰の島根大学で教鞭をとっていらっしゃったのですが、十年間という奉職の間に調べた資料に基づいて、島根で奉職した時代の記念に、本をまとめたのだという話をされたのです。私と同じ思いで作業をなさった方もあるのだなと思いましたが、これまでのSF作品とはガラッと様子を変えて、ドキュメントに仕立て上げたということだったのです

「世界史の中の石見銀山」(祥伝社刊)というものがそれです。機会がありましたらお読み頂きたい一冊ですが、お互いに年齢を重ねた結果、これまでとは変わった姿勢で本づくりをしようと決心して書かれたようでした。

私は、今年六月十一日に京都嵯峨藝術大学の「京の美意識」という市民講座(無料)の中で、「月の都、京都」の講演をすることになりました。機会がありましたら、参加して頂きたいのですが、今年も間もなく大学が始まります。

私はまた新たな探索の旅をし始める機会が来たように思います。

すでに目標も決まり、探索を始める目標点もかなり決まってきましたので、始動しようかと思っているところです。しかしまたそのことについてお話出来るまでは、かなり時間がかかるかもしれませんが、果してどんなものになるか、いろいろと想像しながらお待ち頂きたいと思っているところです☆