読む世界 Faile(49)「古典、古典、古典」
最近はあまり小説を読む気が起こりません。もう大分前から、新たなものに興味を失っているんです。
おおむね終戦後ぐらいまでで止まってしまって、なかなか新しいものには手が出なくなってしまいました。
物書きとしては失格ですが止むを得ません。
どうしても飛びつくような作品が出ているとも思えません。 昨今、出版・・・特に小説の不振がひどいといわれているのも、一因ということもできるかもしれません。
そんな中で、私が最近次々と目を通しているのは古典です。 多分、ほとんどの人は、興味を持たないでしょう。
確かに時代差があまりありすぎて、手が出ないのではないでしょうか。
私も必要に迫られて、「栄花物語」「とわず語り」「大和物語」「大鏡」等々を、ざっと目を通したのですが、もともと好きな歴史世界のものだし、これまであまり興味を持たなかった世界にも、興味がわいてきました。
読んでいるうちに、想像の世界が広がっていくのは、久しぶりに楽しいことでした。
王朝時代のさまざまな人間関係が生みだす、さまざまな人間模様が汲み取れて、いろいろ考えさせられました。現代のそれとも、ほとんど変わりがないものも感じます。
こんな世界から現代に通じる話ができないものかと、いろいろと企画を考えたりして、かなり楽しくもなりました。
あなたにも、時にはこんな古典に目を通すことをお勧めいたします。しかしこれは、あくまでも、多少時間ができた、中高年の方々への提言になってしまうかもしれませんね。しかし本当は、こんな古典の中で繰り広げられる人間模様に、多少でも興味を持ってくれる若者がいないものかなと夢を見ているのですが・・・☆