読む世界 Faile(51)「話言葉、書き言葉」

今年は私の奉職している大学で、長年継続している市民講座「京の美意識」というシリーズで、私も「月の都、京都を探訪する」という講演をいたしました。

昨年出版した「幻視行 月の都、京都」(平安京をめぐる旅)を基本にして、その取材のために撮りつづけてきた写真を含めて、講演をしたわけです。

お陰様で大変多くの方に参加していただいたのですが、実は最近、その時の講演を原稿に起こしたものが届き、やがてそれを小冊子にするというお話を頂き、夏の休暇を利用して、その整理にかかったのですが、話し言葉というものが、特にそのための準備もしないでやってしまいましたので、それを読もうとすると、とても恥ずかしくていやになりました。あっちこっちへ話が飛んだり、まったく今話していることではない話題が飛び出してきたりといった状態で、 読む文章に整理する作業は、かなり照れくさいものでした。

喋る話というものは、前に人がいるわけで、多少話は言ったりきたりしても通じるのですが、読む文章・・・つまり書き言葉というものは、いかに話言葉とは違う物なのだということを知りました。 この日はパワーポイントなどという、会社などのプレゼンテーションなどでよう使われるものを使って話しましたので、その機器の扱いに馴れていないということもあったのでしょう。

この時の経験から、これまでの講演を考えて、大変反省をいたしました。これからの講演会には、充分に気をつけなくてはいけないと思っているところです☆