読む世界 Faile(53)「挑戦」

再び、挑戦することにしました。

十年前にストレスが高じて、思わぬ病魔に襲われて、もう二度とストレスの溜まる仕事にはかかわらないと決心をしていました。医師の勧めで、ヘビースモーカーであった煙草も止めて、兎に角静かな暮らしを取り戻していたのですが、幸い脳梗塞で倒れたものの、それ以外にはまったく病根はなく、点滴治療で二十日間入院しただけで退院するという、奇蹟的生還を遂げ、後遺症も残らずに数年間が立ちました。

そんなある日のこと、京都嵯峨芸術大学からお話を頂き、新たに開設されるメディアデザイン学科で、シナリオ講座を持って、後進たちにモノづくりの基礎力を伝えて欲しいということでした。

あれからすでに四年が過ぎて、昨年は「月の都、京都」(平安京をめぐる旅)(淡交社)を刊行しました。

今年は春、秋と放送大学の面接授業も受け持ち、脚本を中心とした、もの書きの講座も担当しました。

そんなことから、動くきっかけが出来ましたので、ドキュメントの第二弾を取材中なのですが、その間に、近鉄からそのフリーペーパーへの古代史のエッセイの連載の話を頂き、気持ちが高ぶってきていたところへ、「ドラマ」誌の連載が決まって、来年から脚本についての講座を公開することになりました。そしてそんなところへ、長いこと封印してきた小説を書く話を頂きました。熟慮した末に、かつての作品とはひと味違った、かつて支持して下さった読者のみなさんに向けた作品を送り出すことにいたしました。新たな挑戦への決心です。

ようやくその素材もかたまりましたので、大学での講義をつづけながら、暫く取材と執筆作業に専心いたします。

そんなわけで、HPをご覧いただいているみなさんに、先ず、小説への再挑戦という、お知らせをする気になりました。どうか期待して、お待ち下さい☆