![]() ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 The Lord Of The Rings: The Return Of The King ★★★★★☆☆☆☆☆ 2003年 アメリカ 監督/脚本: ピーター・ジャクソン 出演: イライジャ・ウッド / ショーン・アスティン / イアン・マッケラン / ヴィゴ・モーテンセン / リヴ・タイラ ー / オーランド・ブルーム / ビリー・ボイド ☆こういう作品☆ 魔力を持つ指輪を焼却すべく、滅びの山を目指す物語の完結編。 フロド(ウッド)は裏のあるゴラムに薄々感付いてはいたものの、彼なしでは目的地への到達は有り得な いと考えていた。しかし、ゴラムの洗脳は知らず知らずのうちにサム(アスティン)への不信感を抱かせて ゆく。一方アラゴルン(モーテンセン)、レゴラス(ブルーム)、ギムリ(ジョン・リス=デイヴィス)擁する人間 とエルフたちは、サウロン軍勢の侵攻を迎え撃っていた。 ☆こう観た☆ 先二編の批評がさほど高評価を示していないように、今作を観るにあたって筆者は絶大な期待を寄せて はいなかった。関心事は、フロドはようやく選ばれし者らしき役割を果たすのか、2人の女に囲まれたアラ ゴルンは男のケジメを見せるのかだけで、まして3時間30分もの上映時間にでん部が耐え得るかどうか の方が心配であった。とりあえず、フロドとアラゴルンの行方は観客に観ていただくとして。 勧善懲悪の極みの展開は、特にこれといった意外性もなく淡々と進んでゆく。2作目から顕著になり始 めた人間以外の援軍要請(妖精しかり木しかり)は、今作ついに触れてはいけない者にまで手をつける。 このあたり、乗りかけた船と言わんばかりの開き直りにも見えるのだが。そのご都合主義的な登場の仕 方も気になるところ。原作は未読だが恐らく忠実に再現させたのだろうし、致し方ないところか。 最大の見せ場ともいえるレゴラスの活躍が少なかったのは残念だが(それでもお約束的に唸らせる場 面はある)、サム、メリー(ドミニク・モナハン)、ピピン(ビリー・ボイド)に一応の成長が見られ、内容に締ま りが出たのが長尺に耐えられた要因。あと、ニュージーランドの入り組んだ景観には相変わらず目を奪わ れるばかりである。 トータル10時間もの大作で増えすぎた登場人物。もはや誰に最も注目するかは観客次第。劇場内では “わたしの”主人公探しに没頭することにしよう。(笑) ちなみに筆者はサム。 余談:批評に影響が出たかもしれないが、劇場内でケイタイの着信音が鳴ると、あろうことかその電話に 出て他愛ないトークを数分間している救いようのないアホがいた。(声質、受け答えの内容からして20代 前半の男) 永久追放もの。(-_-x)
written on February 26, 2004
▽オフィシャルwebサイト: こちらから ▽あなたの意見を聞かせてください!: こちらから ▽ここで観た: イオンシネマ久御山 (京都)
ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 The Lord Of The Rings: The Two Towers ★★★★★★★☆☆☆ ☆こう観た(ネタバレ気味)☆ 思わせぶりに終わった前作のツケを払うように、今作はようやく待ち望んでいた見どころの多い冒険活 劇を見せてくれる。 物語は、死んだと思われたガンダルフのその後が、いきなり冒頭で描かれる。これは、何かとありがち な「実は生きていたのです!」と劇中に突然見せられたときの観客の「そんなアホな」なリアクションを避 ける手段としては有効だ。懸念されていた上映時間は展開にメリハリがついた分、前作に比べて段違い にストレスを感じさせない。クライマックスのボーガン、弓、ハシゴ、木材といったアナログな武器を使用し た化け物との肉弾戦は、飛び道具がデジタルすぎて痛みを感じない"S.W.E.P-2"に比べ、明らかに臨場 感で優っている。森林を伐採し、オークの大軍勢を築き上げたサルマンの行為が結果的に自然の怒りを 買うという設定は、ファミリー客に好影響をもたらすかも。(笑) しかし、アラゴルンとアルウェンのロマンス は相変わらず薄っぺらく、重要性を感じない。ここに三角関係を築いたのは女性客を取り込むためか?そ んな中、前作ですでに大気の片鱗をちらつかせていたレゴラスの奮闘ぶりが素晴らしい。彼は美形ながら アラゴンのような色恋沙汰は一切なく、硬派に戦いに身を投じている。私も含め観客が唸りを上げた信じ られない体勢で馬に乗る場面と、木の板を階段に滑らせながら弓を放つ姿は必見だ。 しかし、前作を生真面目に作り過ぎたと思ったのだろうか。フロドとサムのガイド役を果たすクリーチュア のゴラムとデブキャラのギムリを笑い者キャラにし、展開に水を差すように彼らのどん臭さを何かと強調し ているのが鼻につく。このシリーズにベタなユーモアは不要だと思うのだが。 劇中、指輪の力に翻弄されっぱなしでまるで仕事らしい仕事ができなかった"主人公"フロドの行く末 は、完結編に持ち越された。今作でアクションの醍醐味を大半味わってしまった我々を満足させる引出し はまだ残されているだろうか。いずれにしても、今作に限っては封切り日に眠い目をこすりながらオールナ イト興行(午前3時スタート)で観た価値はあった。
written on December 29, 2002
▽ここで観た: Hoyts: Cinema City (Perth, Australia) ロード・オブ・ザ・リング The Lord Of The Rings: The Fellowship Of The Ring ★★★☆☆☆☆☆☆☆ この手のファンタジーものに一喜一憂できる純粋さをもはや失いかけているという事実を信じたくないと いうのもあるが、物語に入り込めなかった「欠陥」は他にあると見る。確かに主人公フロドに扮したイライジ ャ・ウッドは今後さらなる可能性を感じさせる輝きを放っているし、ケイト・ブランシェットをはじめほかの俳 優陣も及第点以上に頑張っているのだが…。 フロドが指輪を手に入れ、追っ手が来るからと村をあとにするまではむしろ退屈になるぐらい丁寧に作ら れている。中盤ようやく仲間が揃い、いよいよメインディッシュ突入か!?と思ったら、ここからが先に記した 「欠陥」。相次ぐ敵の嫌がらせについさっきまで大変な思いをしていた御一行が「別の道を」と決断すると、 次の瞬間何事もなかったかのように別の場所を彷徨っている。小説では段落分けなどしてはしょれていた であろう場面変化のプロセス、だが映画ではそうはいかない。この過去幾度に渡って繰り返されている小 説の映画化における致命的な手ぬるい脚本に興ざめすると、CGの化け物相手に闘う姿も「大事なのは 辛い時こそ何をすべきかだ。」などと彼らの旅を人生のメタファーとしている「狙い」もなんか白ける。 それでも、『2』へと観客をいざなおうとする姿勢「だけ」はしたたかで、「次はオモロなるでぇ〜!」的なラ ストは『1』が『2』『3』の「ネタフリ」に過ぎない次元であったことさえ忘れさせられそうになるが、ニュージ ーランドの美しすぎる景観にも魅せられて、来年観客は再び劇場へ足を運ばざるを得ないことになるだろ う、私も含め。
written on March 29, 2002
▽ここで観た: 丸の内ピカデリー1(東京)
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