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オアシス
Oasis
★★★★★★★★☆☆
2002年 韓国
監督/脚本:イ・チャンドン
出演:ソル・ギョング / ムン・ソリ / アン・ネサン / リュ・スンワン / チュ・グィジョン


☆こういう作品☆
 ジョンドゥ(ソル・ギョング)は、ひき逃げによる刑期を終え釈放されたが、兄を初めとした家族にさえ歓迎
されない社会的に疎外された男だ。彼は詫びるため被害者の自宅を訪れる。そこで出会った被害者の娘
コンジュ(ムン・ソリ)は、体が不自由な女性だった。


☆こう観た☆
 私は生まれてこの方、身体障害者と接することを無意識に拒絶してきた卑怯な人間の一人だ。本作
は、そんな私に少なからず辛らつなメッセージを突きつける。
 コンジュは不自由な体ながらちゃんとした意思があるが、立場も自覚している。気持ちを伝えるのに数
倍時間が掛かり、仮に伝わったとしても相手は対等な目で取り合ってくれないと。だから、キレイな障害者
用アパートの名義にだけ自分を利用して、妻と2人で住んでいる兄にさえ口を出さない。片やジョンドゥは
五体満足でありながら、自分の身勝手な言動、行動が人さまの迷惑になっていることをてんで自覚してい
ない。だから無銭飲食もするし、仕事は続かないし、反省も学習もしない。果たしてどちらが世間的に条理
ある人間と見られようか。
 本作の白眉。コンジュは希望の中で、自分を一人の人間、女として見てくれたジョンドゥにちょっかいを
掛け、“オアシス”で彼やインド象、少年たちと共に踊り、地下鉄のホームで声高らかに愛を唄う。美しす
ぎる情景であると同時に、偏見に満ちた自らの人としての器の小ささを心から痛感する。罪悪感から涙が
溢れた。
 自分本位なカタルシスを求めてハンカチを用意していた私にとっては、あざとい演出がなく、本能だけで
生きることで受ける仕打ちや世間の風当たりの冷たさなどを最後までリアルに追究したイ・チャンドン監督
に多少ちゃちゃを入れたくもなるのだが、前述のような気持ちにさせることが監督の狙いであったとするな
らば、私はまさしく彼の術中にハマったと言えよう。
written on April 12, 2004


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▽ここで観た:梅田ガーデンシネマ(大阪) 



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