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モンスター
Monster
★★★★★★☆☆☆☆
2003年 アメリカ
監督/脚本:パティ・ジェンキンス
出演:シャーリーズ・セロン / クリスティーナ・リッチ / ブルース・ダーン


☆こう観た☆
 常軌を逸した行動を起こした人間の報道を聞いた時、人は皆「信じられない」「なぜそんなことをするの
か」と口にする。そんな不条理な行為、人間はこれを“罪”と定めた。しかし、罪を「誰が決めた?」と開き
直る人間が罪を犯した時、「なぜそんなことをするのか」という問いがまるで無意味であることに気付く。こ
んな開き直り方ができてしまう人間、近年の残忍な殺人事件を見ていると、明らかに増えているのではな
いかと感じてしまう。
 幼少の頃から周囲に馴染めないのも気に留めず、“愛情”を受けぬまま身体を売る術だけを覚えて大人
になってしまったアイリーン(シャーリーズ・セロン)は、偶然立ち寄ったバーでレズビアンのセルビー(クリ
スティーナ・リッチ)に声を掛けられたちまち意気投合、初めて愛し愛されることの喜びを知る。しかしそれ
は、ただでさえ噛み合っていなかった彼女の人生の歯車をますます狂わす悲劇の序章でしかなかった。
 汚らしい立ち振る舞いと言葉遣い、そしてたるみきった裸身。スクリーンに映し出されるセロンの姿は、
彼女だと聞かされていなければおよそ想像のつかないほど醜いものだ。オスカー獲得もうなづける。相手
役のリッチ(彼女の体型が役作りか素のものかは知らない)も、アイリーンに比べデキた人間ではあるも
のの、結局一人では何もできない少女を好演。ふたりのスケート場でのキスシーン(ジャーニーの曲もい
い)は、外見とは裏腹な美しさがある。
 実在したアイリーン・ウォーノスは、劇中描かれていた彼女よりもはるかに救いようのない素行の悪さで
あったと聞いている。映画だけを観ている限りでは、彼女の残忍さよりも人間的な弱さの方が印象に残っ
てしまうせいか、情状酌量の余地などどこにもないはずなのに、死刑判決を「仕方ない」と思い切れないも
どかしさがしこりとして残ってしまったのが残念だ。
written on October 23, 2004


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▽ここで観た:ワーナーマイカルシネマズ茨木 (大阪) 



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