WEBMASTER の 今週の述懐 . . . . .
「お金」シリーズ 4 ・・・ "コンペ "(中段)
2月22日が文頭
あるサイトでの私の書き込みの続きです。
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このシステムに参加している方々のご意見を拝見すると
いずれも、
WEBという公開の場で
案を無償で提供する「集団的営業」を正当化しようと
なさっていると思われますが、私のようなシステム外の者が読むと、
その正当化の部分には
全く説得力がありません。
(もちろんそれ以外では賛成できるところも色々あります。)
既に一万人以上アクセスしたサイトです。社会的影響に責任があります。
システム外のアーキテクト達にも納得できるようにして頂けると嬉しい。
イ) I さんへ
I>
「ハウスコンペ」は WEB というメディア上で、
>
建築家と施主が知り合う場所を提供するサイトです。
>
建築家がどのような職業であるか知ってもらう役目も背負っています。
> ただWEBというメディアが現時点では、個人のボランティアに多くを頼っています。
> 建築家の職能に関わるのはわかりますが、
> (無償が)現時点でのWEBというメディアの特性なのではないでしょうか。
個々の施主のみのための案を無償で提供することと
WEBというメディアの特性とは
連動しません。
WEB上でこそ
設計の本来的あり方を普及させるべきでしょう。あなたが
「建築家がどのような職業であるかを知ってもらう」とおっしゃるとおりです。
コーディネーターを「報酬あり」と提案されるとおりです。
I>
また、依頼者も選出理由、各案に対する意見を明確に示す必要があります。
>
無償でやっている設計者にとっては、これが重要な報酬だと思います。
これは一般的な公開建築設計競技の場合そのとおりです。
審査員の判断は参加者の批評にさらされ、賞賛され、あるいは糾弾される。
審査員は安全地帯に居るわけではありません。
「ハウスコンペ」ではどうですか?
佳作に入ることが名誉なシステムですか?
I> なぜハウスメーカーとスタンスが同じではいけないのでしょうか。
トップページにあるように、住宅を商品と考えるか否かでしょう。
商品と考える場合はスタンスが同じとなると思われます。
I>
建築家はどのような家を建てることができるのか、
>
依頼者がわかりやすいように具体的に表現するべきではないのでしょうか。
商品でないとする立場からは、基本設計は施主との共同作業です。
建築家という職業はこのプロセスを有償とすることで成立します。
商品のように発注前に事前に結果を示せと言う方が無理難題です。
仕事の進め方は十分説明しますし、過去の作品等も見せたりしますが。
ロ)Oさんへ
お説の
「私たち建築家は、自分たちの存在をきちんと、社会に表現」
しなければならない、
私の言わんとする所そのものです。ですから
イ)トップページに建築設計専業事務所の仕事の進め方を解説する
ロ)第一案には基本設計のエッセンスが凝縮していることを説明する
ハ)著作権についても言及する(お説のとおり。非常に重要)
など、
「無償による勧誘」に逃げ込む前に、取るべき方法は色々あるはずです。
なぜ「このまま10くらい続けてみて」とおっしゃるのでしょう?
ハ)清瀬さんへ
皆さんの「非ハウスメーカー的善意」と「集団的営業(ハウスメーカーのフォーマット)」とは
原理的に矛盾していると思われませんか?
なぜ「こちら側の気持ちが」ごく少数(数名)の参加施主に伝わることで事足れりと
なさるのでしょう?
私の問題とするのは当初から、既に一万人以上となったアクセス者が
なにをメッセージとして受け取るかです。
基本設計のエッセンスが無料で当然と言う
誤った風潮に
拍車がかかると思われませんか?
いずれ二万三万となるアクセス数など心配ないのですか?
私はこのサイトにアクセスする人たちこそ
正しい理解への素地のある人たちで、
こうしたサイトこそ
設計者の本来的姿をその人たちにアピールすべきと思いますが?
ニ)Yさんへ
Y>
いずれは当然「有償」にしていくべきだとは思いますが、ある程度の実績と
>
実例をあげた上でないと難しいのでは無いでしょうか?
実績のない施工者は
0円からスタートするのが当然、などと言うことは
絶対ないですよね?
それと同じことと思われません?
施工業において考えにくいことが、なぜ設計においては平気なのかが問題です。
木材やコンクリートの重さ(無償のイメージはない・施主も払って当然と考える)に比べ、
スケッチの軽さは無償で当然......そんな風潮を
あなたも無意識に参加者に
「当面は」ということで適用していませんか?
誤解でしたらお許しを。
Y>
スケッチが一つの商品価値を持つことになっていくからには当然その段階で選別
> していかなくては...選別しようにも今はまだデータがそろっていない訳ですから。
そんなに設計者は信用できない人種でしょうか?
スケッチレベルでも、みな自分への指名を目指し基本設計の骨子を工夫している筈。
選別の結果、施主の判断以前に 運営側から
「おまえは有償、おまえのスケッチは 0円」と宣告される....すごい世界です。
そうならないために、先回りして、みんなで「今のところ」 0円にする....もっと変です。
ちょっと違う話ですが、
ハウスメーカーにとっての「一案」の一物件ごとのリスク負担率は、
分母が工事費なので、仮に案のレベルが同じだとしても、専業設計者の約10分の1、
実際にはそれ以下である点、ご理解ください。
......なお、31日のご発言、街並みに配慮して設計することは、
ハウスメーカー、建築家(設計事務所)、施主、全てにとっての公共的責任だと思います。
おっしゃるとおり、日本の現状は 大問題です。
ホ)Kさんへ
K>
中間層っていうのは、結構大きいのだと思います。
>
その層へのアプローチがもっとあってもいいと思います。
私も思います。
そのアプローチに際し、「一般の人の住宅づくりに対する価値観の現状なのだ」からと、
本来的なあり方のPRを試みる前に、ハウスメーカー的取っ掛かりに頼るスタンスは、
一般の方達にかえって失礼だと思われたことはありませんか?
話せばわかるというのが私の考えです。みな そんなに馬鹿にしたものではない筈です。
まだ「4物件しか実績もない」今のうちに、必用な軌道修正をお願いしたいところです。
続き。 (^_^) 安達
98/03/15