WEBMASTER 今週の述懐 . . . . .

「お金」シリーズ 2

先週の述懐 の続き

 

. . . . 先週の例にもあった

「無料」

ということはいかなる意味を持つのでしょうか。

実は色々なケースに分類できるはずです。

 

1) 100% 善意の「無料」 : 自分の恵まれているものを 分かち合おうとするもの。

自己顕示性なし。 見返りへの打算もなし。

〜 博愛 ・ 母性愛 ・ ボランティア ・ 宗教的確信 ・ など 〜

 

2) 善意と(良い意味の)自己顕示の混ざった「無料」 : ふつう著作権は放棄していない。

ひろく公衆にアピール。アマチュア(およびセミプロ)の喜び。

〜 個人の作ったフリーソフトウェア ・ など 〜

 

3) 将来の見返りを期待する「無料」 : 意識的な場合も 無意識的な場合もある。

USAでは公務員に$25相当以上の無償提供は賄賂。

〜 営業的プレゼント ・ 親睦と打算との境界 曖昧 〜

 

4) 契約を獲りたいゆえの 一部先行型「無料」 : 契約(売買を含む)が成立すれば回収できる。

他人の無料分まで負担させることが多い。 つまり、「装った無料」。

〜 「DPEプリント代 0円」(公取のお咎めあり) ・ 「お試し期間 30日無料」 ・ など 〜

 

5) 競争相手をつぶすための無料 : その業界の最大手がこれを大々的にやると効果大。

悪意というより、あけっぴろげな競争心。 競争入札にても類似現象多発。

〜 WEB界のみにあらず、入札”超”ダンピングはゼネコン出身建築家さんもやりました 〜

 

さて、

建築家が契約の勧誘に 自分の過去の作品・等 をもってするのではなく、

初期案の無料提供を言い出すのは、職業的立場の自己否定に等しいものがあります。

それのみならず、

知的生産全般に対する 我が国の認識の遅れを ますますひどいものにしてしまいます。

つまり上記の 4)に当たることは いやしくも 建築家のすることではないと思うのです。

3)くらいなら まだ許せるとしても、

自分のデザイン・作品を成就させたい一心で 4)あるいは 5)のような行為に及ぶのは

社会的に はなはだ迷惑です。

 

では コンペはどうなのか?

無料で参加するではないか?

それは来週。

 

続きも読んで下さいね。 (^^) 安達

 

98/03/01