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Sounds 〜Legend of Eva〜



Write by Y-MICK






「アスカ・・・・・・・なのか・・・・・本当に・・・・・・」


シンジは一目で、その少女の名前を言い当てた。

無論、二人にとっては初めて会うのだろう。

だが、そんな感じを二人からは感じさせることはなかった。


「シンジ・・・・・ね・・・・・」


一方、アスカの方も同じであった。

会ったことはないはずなのに相手の名前を言い当ててしまった。

原因は・・・・・・今は伏せておくべきなのだろう。






Sounds 5th SAGA 〜Asuka〜







少年は音を聞く。

涼しげな音。

活発な音。

優しい音。

活力を見せる音。

そして・・・・・破壊の音。




「何故なんだ・・・・何故僕は君のことを知っているんだ・・・」

「何故なの・・・・何故アタシはアンタの事を知っているの・・・」


二人は見詰め合ったまま、既に3分ほど、硬直していた。

当然、二人の異変を見た、傍らの少女達はシンジとアスカの間に入る。


「シンジ・・・どうしたの・・・・」

「アスカ、一体どうしたの?」


二人は共に相方に語りかける。

だが、そんな二人をよそに、シンジとアスカは見つめつづける。

まるで二人は長年付き合った恋人同士であるかのように。




さらに数分が過ぎる。

すると、突然二人を引き裂くものが現れる。

その引き裂いたものは・・・時でも、相方でも、お互いの気持ちでもない。

それは”他人”であった。


「アスカ様。戯れが過ぎます」


いきなり現れ、いきなり言葉を放った他人。

彼の名を「ヒュウガ=マコト」といった。


「アスカ様。貴方様は親方様より言いつかっております」

「パパから?」

「はい。このところ、不穏な人間が徘徊しているとの事。
 そのような輩をアスカ様から守れ、といわれているのです」

「でも・・・・」

「ですが、見た所対しているのは不穏な輩そのもの。
 私は奴からアスカ様を守らねばなりません。さあ、帰りましょう」

「そ・・・・そんな・・・・・・」


有無を言わさず、シンジにいたっては何も口には出来ないまま、

アスカはマコトに連れられて、帰っていってしまった。

もちろん、この時はレイも一緒である。

結局、後に残されたのは心残りを顔に表したシンジと、

そんなシンジを心配そうに見ているマナだけであった。

「レイ・・・お願い・・・・」

「分かったわ・・・でも・・・良いの?こんなことして・・・」

「アタシにとって・・・・彼は・・・・」

「そうだったわね・・・・彼は」

「えぇ、だから・・・お願い」

「分かったわ」


夕方。

日が落ちようとしている時間。

マコトによって家に連れ戻されたアスカは、今一度シンジに会うため、

レイにその仲介を頼んでいた。

レイはソウリュウ家の人間ではないため、出来る行為であった。

アスカはそれに託したわけである。


「レイ・・・・お願いよ・・・・」


アスカは沈みかけている日に向かい、祈っていた。




そしてシンジの方は・・・・


「・・・・」


予約を取っていたホテルに入り、くつろいでいた。

いや、くつろぐというより、一心に何かを考えているようであった。

そう、今日はじめてあった女の子、アスカの事を一心に考えていた。


「何で・・・僕はあの娘の事を知っているんだろう・・・」


あの出来事から、寝てもさめても考えるのはアスカの事だけである。


「記憶・・・と何か関係あるのかな・・・・」


自分の記憶の中に、その答えがあるのではないかとも考えていた。




カッ・・・・・カッ・・・・




不意に、ドアにノックの音が聞こえる。


「・・・?・・・・何方ですか?」


シンジがノックに答えると、そこにはか細い答えが返ってきた。


「ソウリュウ=アスカの使いです・・・・入れて・・・・くれませんか・・・・」

「えっ?!・・・・・・あ、はは・・・・はい・・・・」


あわてふためくシンジの前に現れたのは、アヤナミ=レイその人。

シンジにとって、意外な来客であった。

無論、シンジがレイを知っているわけではない。

ただ、アスカと一緒にいた人、そう記憶していただけである。


「あ・・・あの・・・・なにか・・・・」


とまどうシンジ。

それに反して、レイは至って落ち着いて来客内容を伝えた。


「初めまして・・・私はアヤナミ=レイ。ソウリュウ=アスカの友人です」

「あ・・・シンジです・・・」

「早速ですが、アスカからの伝言です。今晩0時、王都の中心にある聖堂の前で待っているとのことです」

「ア・・・アスカが?」

「はい。是非来て欲しいとのことです。アスカが待っています」

「分かり・・・分かりました。必ず行きます。アスカにはそう伝えていただけますか?」

「分かりました。アスカに伝えます。私は・・・これで」


用件を住ませると、レイは素早くシンジの部屋を去った。

そして帰り道、ふと考えてしまったことがある。


「(アスカ・・・良いの?彼は・・・・黒き血を纏っていることをあなたは覚えていないの?・・・)」


それはアスカの夢から来る。

アスカのいつも見ていた夢、シンジが出てくる夢。

しかしそのシンジは悲しみに満ちている夢。

シンジが・・・・血を浴びている夢を・・・・








ガラーン・・・・ゴローン・・・・


聖堂の鐘が新しい日を告げる。

約束の刻。

シンジとアスカの再会の刻。

時間も時間なのだろう。聖堂の前に佇む少女の吐く息は白い。

その少女はフードを被り、誰かを待っている様子であった。
















「ごめん・・・・・・待たせちゃったね・・・・・・」

「良いわよ・・・・あなたなら・・・・・・」








それは・・・・皮肉な・・・・悲劇な・・・・会ってはいけない再会だったのかもしれない。






あとがき


何はなくとも短い(笑)
空白の使いすぎ・・・・かな?(爆)


今回は、一応ターニングポイントにしてあるんですが・・・なんかダメダメ(^^;;
もうちっと考えが少なかった気がするなぁ・・・
でもま、出来てしまった物はしょうがない(爆)
次回からを期待していてくれれば、嬉しいです(笑)
んではまた次回(^^) あと、感想なんかはここに。
私のHPの掲示板も可です。(木亥火暴)



艦長からの感謝感激雨霰砲撃(笑)



どーも、艦長です。

久々の「アルビオン」の更新でっす!(爆)

さあ、なにやらきな臭い展開になってきました!

最後のヒキはなんなんだぁ!!(爆)

さあ、みなさんも「イタものにしたらタダじゃおかない」メールを出しましょう!(笑)



私は最近疑心暗鬼になってて不安に駆られてます(爆)


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