「アスカ・・・・・・・なのか・・・・・本当に・・・・・・」
シンジは一目で、その少女の名前を言い当てた。
無論、二人にとっては初めて会うのだろう。
だが、そんな感じを二人からは感じさせることはなかった。
「シンジ・・・・・ね・・・・・」
一方、アスカの方も同じであった。
会ったことはないはずなのに相手の名前を言い当ててしまった。
原因は・・・・・・今は伏せておくべきなのだろう。
少年は音を聞く。
涼しげな音。
活発な音。
優しい音。
活力を見せる音。
そして・・・・・破壊の音。
「何故なんだ・・・・何故僕は君のことを知っているんだ・・・」
「何故なの・・・・何故アタシはアンタの事を知っているの・・・」
二人は見詰め合ったまま、既に3分ほど、硬直していた。
当然、二人の異変を見た、傍らの少女達はシンジとアスカの間に入る。
「シンジ・・・どうしたの・・・・」
「アスカ、一体どうしたの?」
二人は共に相方に語りかける。
だが、そんな二人をよそに、シンジとアスカは見つめつづける。
まるで二人は長年付き合った恋人同士であるかのように。
さらに数分が過ぎる。
すると、突然二人を引き裂くものが現れる。
その引き裂いたものは・・・時でも、相方でも、お互いの気持ちでもない。
それは”他人”であった。
「アスカ様。戯れが過ぎます」
いきなり現れ、いきなり言葉を放った他人。
彼の名を「ヒュウガ=マコト」といった。
「アスカ様。貴方様は親方様より言いつかっております」
「パパから?」
「はい。このところ、不穏な人間が徘徊しているとの事。
そのような輩をアスカ様から守れ、といわれているのです」
「でも・・・・」
「ですが、見た所対しているのは不穏な輩そのもの。
私は奴からアスカ様を守らねばなりません。さあ、帰りましょう」
「そ・・・・そんな・・・・・・」
有無を言わさず、シンジにいたっては何も口には出来ないまま、
アスカはマコトに連れられて、帰っていってしまった。
もちろん、この時はレイも一緒である。
結局、後に残されたのは心残りを顔に表したシンジと、
そんなシンジを心配そうに見ているマナだけであった。
「レイ・・・お願い・・・・」
「分かったわ・・・でも・・・良いの?こんなことして・・・」
「アタシにとって・・・・彼は・・・・」
「そうだったわね・・・・彼は」
「えぇ、だから・・・お願い」
「分かったわ」
夕方。
日が落ちようとしている時間。
マコトによって家に連れ戻されたアスカは、今一度シンジに会うため、
レイにその仲介を頼んでいた。
レイはソウリュウ家の人間ではないため、出来る行為であった。
アスカはそれに託したわけである。
「レイ・・・・お願いよ・・・・」
アスカは沈みかけている日に向かい、祈っていた。
そしてシンジの方は・・・・
「・・・・」
予約を取っていたホテルに入り、くつろいでいた。
いや、くつろぐというより、一心に何かを考えているようであった。
そう、今日はじめてあった女の子、アスカの事を一心に考えていた。
「何で・・・僕はあの娘の事を知っているんだろう・・・」
あの出来事から、寝てもさめても考えるのはアスカの事だけである。
「記憶・・・と何か関係あるのかな・・・・」
自分の記憶の中に、その答えがあるのではないかとも考えていた。
カッ・・・・・カッ・・・・
不意に、ドアにノックの音が聞こえる。
「・・・?・・・・何方ですか?」
シンジがノックに答えると、そこにはか細い答えが返ってきた。
「ソウリュウ=アスカの使いです・・・・入れて・・・・くれませんか・・・・」
「えっ?!・・・・・・あ、はは・・・・はい・・・・」
あわてふためくシンジの前に現れたのは、アヤナミ=レイその人。
シンジにとって、意外な来客であった。
無論、シンジがレイを知っているわけではない。
ただ、アスカと一緒にいた人、そう記憶していただけである。
「あ・・・あの・・・・なにか・・・・」
とまどうシンジ。
それに反して、レイは至って落ち着いて来客内容を伝えた。
「初めまして・・・私はアヤナミ=レイ。ソウリュウ=アスカの友人です」
「あ・・・シンジです・・・」
「早速ですが、アスカからの伝言です。今晩0時、王都の中心にある聖堂の前で待っているとのことです」
「ア・・・アスカが?」
「はい。是非来て欲しいとのことです。アスカが待っています」
「分かり・・・分かりました。必ず行きます。アスカにはそう伝えていただけますか?」
「分かりました。アスカに伝えます。私は・・・これで」
用件を住ませると、レイは素早くシンジの部屋を去った。
そして帰り道、ふと考えてしまったことがある。
「(アスカ・・・良いの?彼は・・・・黒き血を纏っていることをあなたは覚えていないの?・・・)」
それはアスカの夢から来る。
アスカのいつも見ていた夢、シンジが出てくる夢。
しかしそのシンジは悲しみに満ちている夢。
シンジが・・・・血を浴びている夢を・・・・
ガラーン・・・・ゴローン・・・・
聖堂の鐘が新しい日を告げる。
約束の刻。
シンジとアスカの再会の刻。
時間も時間なのだろう。聖堂の前に佇む少女の吐く息は白い。
その少女はフードを被り、誰かを待っている様子であった。
「ごめん・・・・・・待たせちゃったね・・・・・・」
「良いわよ・・・・あなたなら・・・・・・」
それは・・・・皮肉な・・・・悲劇な・・・・会ってはいけない再会だったのかもしれない。
あとがき
何はなくとも短い(笑)
空白の使いすぎ・・・・かな?(爆)
今回は、一応ターニングポイントにしてあるんですが・・・なんかダメダメ(^^;;
もうちっと考えが少なかった気がするなぁ・・・
でもま、出来てしまった物はしょうがない(爆)
次回からを期待していてくれれば、嬉しいです(笑)
んではまた次回(^^) あと、感想なんかはここに。
私のHPの掲示板も可です。(木亥火暴)
艦長からの感謝感激雨霰砲撃(笑)
どーも、艦長です。
久々の「アルビオン」の更新でっす!(爆)
さあ、なにやらきな臭い展開になってきました!
最後のヒキはなんなんだぁ!!(爆)
さあ、みなさんも「イタものにしたらタダじゃおかない」メールを出しましょう!(笑)
私は最近疑心暗鬼になってて不安に駆られてます(爆)