「待たせちゃったね・・・」
「良いわよ・・・・あなたなら・・・」
今の時刻は午前0時。
場所は聖都の中心地、聖堂。
カラーン・・・・コローン・・・・
聖堂の鐘が二人を優しく包み込む。
二人は互いに見つめ合い、本能のままであろうか、互いに温もりを得ていた。
すなわち・・・・
抱き合っていた。
本物の恋人のごとく。
だが、彼らは”一応”この町で、この時で、初めて会ったのだ。
ヒュゥ・・・・・・・ヒュゥ・・・・・・・・
一方、聖堂から少しばかり離れたところ。
中心街にもかかわらず、荒廃している場所がある。
このような場所には必ずいるような人間が、ここにもいた。
「しけてやがる・・・こいつ、これっぽっちしか持ってねぇぜ」
「兄貴、こいつのなりはそれくらいの者しか持ってねぇなりですぜ」
「まぁそうか。仕方ないな、もう一回行くしかないか?」
「げへへへ・・・・そうですね・・・・今度は良い獲物だと良いですけどね・・・げへへへ・・・」
「だな。それじゃあ”狩り”に出るとするか」
彼ら、と言っても3,4人の集団だが、彼らはいわゆる”強請””たかり””強姦”のたぐいを生業にしている人間、
一言で言えば、”犯罪集団”である。
「さて・・・今の時間、いるかな・・・”獲物”は・・・」
集団のリーダーらしき人間は一言つぶやき、自慢のナイフを持って場所を移動し始めた。
「ねぇシンジ・・・どうしてアタシ、アナタのことを知っているのかな・・・」
「うん・・・僕もそれを考えていたんだ・・・・どうしてだろうね・・・」
「でも良いわ・・・そんな些細なことは・・・」
「そうだね・・・こうしていると心が落ち着くよ・・・・アスカ」
あれから数分がたったであろう。
二人は未だ抱き合ったままの状態であった。
時間はすでに夜更け、咎める人間などいなかった。
アスカの使用人も、レイもこの場所にはいなかった。
本当に二人だけの世界であった。
だが、その世界をうち破る人間は、必ず何処にでもいる。
再びシンジとアスカの世界が崩壊するときが来た。
「見つけた・・・・いた・・・・・獲物・・・・・・」
「「・・・・・・・!!!・・・」」
二人は抱き合ったまま、驚愕する。
二人だけの世界であったと思っていたのだ。
そこに人が乱入した。
その人間は・・・先程まで荒廃した路地にいた人間であった・・・・・・・・・・・・・
「見せつけてくれるな。なぁ、坊や達」
「だ・・・・誰・・・・アンタ達・・・・・」
「見ての通り。通りすがりの旅人って訳じゃないさ」
「・・・・・犯罪者ね・・・・・・・・」
「ふふふ・・・・・・・・」
「な・・・・何がおかしいの・・・・・」
「いやね、まさに言い得て妙だと思ってね・・・・ふふふ・・・」
「・・・くっ・・・・何がねらいなの?・・・お金?・・・」
「ふふふ・・・物わかりが良くて結構。後出来れば君も欲しいんだけどね。彼氏には悪いけど・・・ふふふ」
「な・・・・・」
アスカの顔色が赤から青へと変化する。
一方、シンジの方はすでに青へと変化を完了していた。
このような体験をしたこと無いシンジである。
従来の気の弱さも手伝って、何もできない、硬直しているシンジがいた。
そこへアスカも気を弱める。
そんな二人を彼らが言いようにするには、さしたる抵抗もなかった。
「い・・・・いや・・・・・」
蒼白のアスカ。
それをただ見つめるシンジ。
(・・・あ・・・・アスカが・・・・・でも・・・・・・・動けない・・・・)
(・・・・僕が気が弱いから・・・・・・力が弱いから・・・・アスカが奴らに連れ去られる・・・・・)
「ふふふふ・・・おとなしくなったな・・・・・これはこれでやりやすい・・・・」
リーダーらしき男がアスカを連れ去ろうとしたとき、それは突然起こった。
(力が欲しいよ・・・・・・アスカを助ける力が欲しいよ・・・・・)
(僕がどんなになっても良い・・・・・・・アスカを助けたい・・・・・その力を・・・・)
あたりが紫へと変化する。
そして紫色の光はだんだんと凝縮されていく。
そして光は一つの物体へと変化した。
「・・・・・・・・僕の・・・・チェロ?」
刹那
「ガァァァッッッッッ!!!!!!!!」
シンジの身体が変化する。
肌から色は失われ、
髪の色は銀色へと変化し、
目は黒から赤へと変化した。
「ガァッ!ガァッ!ガァァッッッ!!!」
ブシャ・・・バシャ・・・バシャァァ・・・・・
全ての行動が終わったとき、
シンジの白かった服は真っ赤に染まっていた。
あたりには人間と思われる物と、紅い液体。
何もないところからあがっている炎。
そして・・・・
右手を左手でつかんで、蒼白の顔をしているアスカ。
その指には真っ赤な宝石の付いた指輪があった。
ほのかに光を放つ真っ赤な指輪。
すなわち・・・・・・・・・・・・・・・・・・「強炎のエヴァ」
シンジは・・・・・姿を元に戻してはいるものの、その目に光はなかった。
ただ、全身を血に塗らしていた。
そう、黒き血に・・・・・・・・・・・・・
これも、エヴァの力である・・・・・・・・・・・・・・
あとがき
たーにんぐぽいんとぉ(笑)
まさにターニングポイントです。
ここから本格的にファンタジーになっちゃります(爆)
で、とりあえず解説を・・・・(今更)
この世界のエヴァは、13体です(基本)
最強はもちろん、シンジの持っているエヴァ。
13体目が「絶対」となってます。
ま、今回の解説はこれだけ(爆)
それはそうと、このあとがきもなんか変(^^;
どうもあとがきに力が入らない(笑)
ま、いいか(爆)
んじゃ次回・・・シンジに何があったのかを皮切りに、その後を書きます。
んでは(^^)
あと、感想なんかはここに。
私のHPの掲示板も可です。(木亥火暴)
艦長からのお礼。
さあ、本艦の表看板になってきた「Sounds」、最新作です!(自爆)
毎回の事ながら・・・・引っ張ってくれますねぇ(笑)
まるで毎回いいところで終わるCXのドラマのようだ(爆)
さあ、引っ張りまくるY−MICKさんを支えるのは読んでいる皆さんです!
感想メールをじゃんじゃん送りつけましょう!(爆)
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