彼の名はGTO(グレート・とんでもない・おにぎり)。
日本語訳すると、めっちゃとんでもないおにぎり。
ある日サラリーマン風おにぎりは、GTOと出張へ行くことになった。
出張先でも、GTOはマイペース。
予想通り、恐い顔して居眠りに夢中。
お客様との話は全く聞いちゃいない。
GTOがやるべきはずのお客様への資料作成も、
GTOがやるべきはずの出張での報告書作成も、
全部、ぜんぶ、ゼンブ、ZENBU、
サラリーマン風おにぎりが、やんなきゃならない。
そんな辛い出張も、そろそろ終わりに近づこうとしていた。
GTOの方は睡眠十分で元気はつらつ。
そして帰り道、サラリーマン風おにぎりに向かって、
「このあたりって、キミの地元だよね」
「どっか、美味しい店知らない?飲みに行こうよ!」
げっ!
飲みに誘われてしまった。
なんで、こんな20歳も年上のおにぎりと飲みに行かねばならんの?
と思ったけど、サラリーマンなので我慢、我慢。
で、地元で有名な地酒が美味しい店に入ることに。
体がでかい分、食うわ、食うわ、
飲むわ、飲むわ、
飲んだらしゃべる、しゃべる。
酒癖わるい、わるい。
もうたまらん。
そんなこんなで、終電タイムも近づき、
「そろそろ出ようか」
と言ってGTOはおもむろに、お会計の方に向かった。
「お会計は9千500円になります」
GTOが財布から1万円札を取り出し、
500円のお釣りをもらったその瞬間
「4千5百円でいいや!」
とサラリーマン風おにぎりに向かって言った。
「へっ?」
GTOが言ってる4千5百円の意味が最初理解できなかった。
「それって、割り勘?」
「20も年下に向かって、割り勘?」
「給料、倍近くもらっているくせに、割り勘?」
「自分がほとんど飲み食いしておいて、割り勘?」
4750円払わされるよりはマシかと、自分に言い聞かせるしかなかった。
(つづく)
home 第7話
しつこいようですが、この話はフィクションです。実在の人物とは関係ないっす。
あの人のことでわ?っというのは気のせいです。