第6話
(GTOと出張)


彼の名はGTO(グレート・とんでもない・おにぎり)。

日本語訳すると、めっちゃとんでもないおにぎり。


ある日サラリーマン風おにぎりは、GTOと出張へ行くことになった。

出張先でも、GTOはマイペース。

予想通り、恐い顔して居眠りに夢中。

お客様との話は全く聞いちゃいない。



GTOがやるべきはずのお客様への資料作成も、

GTOがやるべきはずの出張での報告書作成も、

全部、ぜんぶ、ゼンブ、ZENBU、

サラリーマン風おにぎりが、やんなきゃならない。


そんな辛い出張も、そろそろ終わりに近づこうとしていた。

GTOの方は睡眠十分で元気はつらつ。

そして帰り道、サラリーマン風おにぎりに向かって、

「このあたりって、キミの地元だよね」

「どっか、美味しい店知らない?飲みに行こうよ!」


げっ!


飲みに誘われてしまった。

なんで、こんな20歳も年上おにぎりと飲みに行かねばならんの?

と思ったけど、サラリーマンなので我慢、我慢。

で、地元で有名な地酒が美味しい店に入ることに。



体がでかい分、食うわ、食うわ、

飲むわ、飲むわ、

飲んだらしゃべる、しゃべる。

酒癖わるい、わるい。

もうたまらん。

そんなこんなで、終電タイムも近づき、

「そろそろ出ようか」

と言ってGTOはおもむろに、お会計の方に向かった。

「お会計は9千500円になります」

GTOが財布から1万円札を取り出し、

500円のお釣りをもらったその瞬間




「4千5百円でいいや!」



とサラリーマン風おにぎりに向かって言った。



「へっ?」



GTOが言ってる4千5百円の意味が最初理解できなかった。



「それって、割り勘?」

「20も年下に向かって、割り勘?」

「給料、倍近くもらっているくせに、割り勘?」

「自分がほとんど飲み食いしておいて、割り勘?」

4750円払わされるよりはマシかと、自分に言い聞かせるしかなかった。

(つづく)


home 第7話

しつこいようですが、この話はフィクションです。実在の人物とは関係ないっす。
あの人のことでわ?っというのは気のせいです。